ドル円、クリスマス休暇で商い閑散。本日は経団連での植田総裁講演に注目(12/25朝)

24日(火)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。

ドル円、クリスマス休暇で商い閑散。本日は経団連での植田総裁講演に注目(12/25朝)

ドル円、クリスマス休暇で商い閑散。本日は経団連での植田総裁講演に注目

〇ドル円、海外時間に157円台を回復、クリスマス休暇前のポジション調整・米金利上昇等が背景
〇ユーロドル、欧州の多くの国がクリスマス休暇入り、1.04を挟んでの狭いレンジで方向感に欠ける動き
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続点灯、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズもFRBの過度な期待の後退、日銀早期利上げ期待の剥落がドル円をサポート
〇本日予定されている経団連での植田総裁講演には警戒が必要、円安進行の「火消し」を行う可能性
〇クリスマス休暇で流動性が低下している隙をついた、フラッシュクラッシュに繋がる可能性も
〇本日の予想レンジ:156.00ー157.75

海外時間のレビュー

24日(火)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、高値157.39まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)加藤財務相による「為替相場に関して足元で一方的で急激な動きが見られる」「行き過ぎた動きには適切に対応」との円安牽制発言や、(2)日経平均株価の冴えない動き、(3)上記2を背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値156.89まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(4)クリスマス休暇を控えたポジション調整や、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間12/25午前1時00分現在)では、157.30前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表された「日銀・11月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、刈込平均値や加重中央値が前月を上回る一方、最頻値は縮小するなど、強弱まちまちの結果となりました。

24日(火)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0411まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)クロアチア中銀ブイチッチ総裁による「データが予測と一致すれば利下げを継続できる」「予測の方向性はさらなる利下げを示唆している」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0389まで反落しました。その後は、クリスマス休暇(ドイツ、スイス、ノルウェー、スウェーデンが休場。英国やフランスは短縮取引)で市場参加者が減少する中、徐々に商い閑散となり、本稿執筆時点(日本時間12/25午前1時00分現在)では、1.0395前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は157円前後での底堅い動きが続いております。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、上位足のみならず下位足(4時間足など)でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる過度な利下げ期待の後退(先週開催された米FOMCが予想以上にタカ派的な内容となったことで、追加利下げが当面のあいだ見送られるとの見方が浮上)や、(2)日銀による早期利上げ期待の剥落(先週開催された日銀金融政策決定会合が予想以上にハト派的な内容となったことで、来年1月と3月の追加利上げが見送られるとの思惑が浮上)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差が当面縮まらないとの見方からドル買い・円売りに安心感)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。

政府・日銀による為替介入が警戒されつつあるものの、トランプ政権発足前のこのタイミングで、実弾介入に踏み切る可能性は限りなく乏しいと見られることから、当方では引き続きドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想しています。但し、本日予定されている日本経済団体連合会審議員会(経団連)での植田総裁講演には警戒が必要と考えられます。先週開催された日銀金融政策決定会合後の植田総裁記者会見を皮切りに、円安が大きく進んだ経緯があるため、同氏がその「火消し」を行う可能性があるからです。タカ派的な発言がサプライズ的に出てくる場合には、クリスマス休暇で流動性が低下している隙をついたフラッシュクラッシュに繋がる展開も想定されるため、本日アジア時間は一時的な円高リスクに念のため注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:156.00ー157.75

皆さまへの感謝を込めて

これまで「FX羅針盤」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。このたび、「FX羅針盤」サービス終了に伴い、長らくお届けしてまいりました「ドル円」「ユーロ」「南アランド」「トルコリラ」に関する情報発信を終了する運びとなりました。皆さまの温かいご支援に心より感謝申し上げます。今後は、不定期ではありますが、情報サイト「CoinCollege」(https://coincollege.jp)や、照葉栗太のX(旧Twitter)アカウント(https://x.com/derivacrypto)にて、為替スポットや為替オプションに関する情報発信を続ける予定です。引き続き皆さまのお役に立てる情報発信ができるよう努めてまいりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。これまでのご厚情に改めて御礼申し上げるとともに、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ドル円、クリスマス休暇で商い閑散。本日は経団連での植田総裁講演に注目

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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