ドル円 足もとXマス相場、すでに来年にらみの様相(12/24夕)

東京市場はドルが小安い。クリスマスイヴということで、参加者も少ないなか、調整売りなどに押されている。

ドル円 足もとXマス相場、すでに来年にらみの様相(12/24夕)

足もとXマス相場、すでに来年にらみの様相

〇本日のドル円、157.40レベルへ小幅上昇後は軟落、16時現在は辛うじて157円台を回復
〇本日も加藤財務相が口先介入実施するも、実弾介入は様子見か
〇来年見通しの大前提は「ややドル安優勢」
〇日米金利差縮小によるドル安・円高、またトランプ氏による円高誘導等の可能性も
〇今年記録したドル高値161.96を大きく超える展開は見込みにくいか
〇来年一年間の予想レンジ:142-162円

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。クリスマスイヴということで、参加者も少ないなか、調整売りなどに押されている。

ドル/円は157.15円前後で寄り付いたのち、当初はドルが小高い。日中高値の157.40円レベルへと小幅に値を上げた。しかし、目先高値を付けたのちは軟落。夕方に掛けて徐々に
下値を切り下げる展開となり、157円を割り込み156.90-95円へ。16時現在では辛うじて157円台を回復した157.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替金融政策」について。
日経新聞朝刊が「円相場で高まる介入警戒感」などと報じるなか、そののち始まった東京時間に加藤財務相が口先介入を実施。「為替に対する政府のスタンスは従来から変わりない」、「為替動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切に対応」−−といった発言が聞かれている。これらの発言がわずかではあるものの、先で示した東京時間のドル安・円高に寄与していた感も否めない。しかし、いわゆる実弾介入については、米政権交代移行期にあたるうえ、来年1月にも「トランプ・石破会談」を控えていることなどを考えると、実施は難しいとの見方も取り沙汰されている。よほど急激なドル高・円安が進行しない限り、しばらくは口先介入でしのぎ、実際には様子見になるのかもしれない。
そうしたなか、本日早朝に発表された日銀会合議事要旨(10月分)で、ひとりの委員が「政策金利引き上げの判断は時間をかけて慎重に行う必要がある」と述べていたことが明らかになるなど、全体を通してややハト派的な内容だったことが判明している。

<< 来年の為替市場見通し(暫定版) >>

今年も残り1週間。名実ともに年末・年始相場に入っており、すでに来年を視界内に入れた動きだ。筆者の提供するレポートは当稿が最後になることで、今回は現段階で予想している来年のおおよその見通しを報じておきたい。

まず、来年の見通しの大前提として、筆者は「ややドル安優勢」を見込んでいる。
何故かというと、理由は大きく2つあるのだが、ともに「根っこ」の部分は同じだ。いずれにしても、具体的には「日米金利差」と「各国政治要因」になる。もう少し詳しく説明すると、前者の「日米金利差」は、先日実施された日米それぞれの金融会合結果においても、「そうそう簡単に金利差は縮小しない」ということが明らかになった。2025年という一年を通しても、どこまで日米の金利差が縮小するのかは未知数と言えよう。しかし、それでも日米金利差が「拡大」ではなく、「縮小」する方向であることだけは確か。よって、大意としては、年間を通してドル安・円高要因になりうるのではなかろうか。

それに対して後者だが、実を言うと筆者は来年の相場を一言で言い表すなら、「政治相場になるだろう」と予想している。
為替市場の変動要因として「金利(金利差)」はもちろん重要なファクターではあるものの、変動要因のすべてではない。そして、そんな「金利」ばかりに目を向ける「金利至上主義」的な相場が長らく続いてきたが、来年はそれが通用しなくなるのではないかと懸念している。実際、古参の参加者には釈迦に説法ながら、1980年代後半から1990年代に掛けては自動車を中心とした「日米貿易摩擦」があり、為替がたびたび政争の具に使われていた。

現在は、日本から米国の輸出で大幅な貿易赤字が発生しているわけではなく、そうした意味では当時と様相が大きく異なる。しかし、トランプ氏は前政権時に「日本は何年も円安誘導している」−−などと述べ、貿易そして為替についても大きな不満を示していたという「実績」があるなど予断を許さない。よもや1985年の「プラザ合意」のような事態に陥ることはないだろうが、それでも円高誘導等に打って出る可能性も否定できないと思っている。

そんな来年の予想「ややドル安優勢」を踏まえたうえでの、来年一年間の予想レンジは「142-162円」を考えている。

年間予想の考え方の基本は、「ドル/円が一年間にどれだけ動くか」という年間変動幅そして同率で、過去の経験則を参考にすると前者がおよそ18.4円、後者は18.3%。そして今年はというと、前者が22.4円、後者は15.9%だ。
まだ始まっていない2025年相場の寄り付きを仮に「155円」と考え、先の年間変動幅や同率を掛け合わせ、若干の修正を加えると前述した予想レンジになる。今年記録したドル高値161.96円に面合わせ、あるいは一時的に超えていく展開は否定できないものの、大きく超える展開は見込みにくいか。また、高値示現後は一転して下値を探る動きとなり、140円割れに向けた値動きをたどるようにいま現在は考えている。


P.S.
長いあいだの御愛読、本当にありがとうございました。また、どこかでお目にかかれれば幸いです。

足もとXマス相場、すでに来年にらみの様相

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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