「トランプ氏のコロナ感染」、続報に要注意(10/2夕)

2日の東京市場は、ドルが弱含み。一時、先月23日以来となる105円割れを示現する局面も観測されていた。

「トランプ氏のコロナ感染」、続報に要注意(10/2夕)

「トランプ氏のコロナ感染」、続報に要注意

〇ドル円、トランプ大統領のコロナ感染報道で一時パニック売り、105円割れを示現
〇新型コロナ、英国・スペインで「都市封鎖」策再導入、フランスでも警戒レベルを引き上げの見通し
〇トランプ氏のコロナ感染、米大統領選への影響など材料視される可能性も
〇本日発表の9月米雇用統計やミシガン大学消費者信頼感指数確報、要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.30-105.80

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場は、ドルが弱含み。一時、先月23日以来となる105円割れを示現する局面も観測されていた。

ドル/円は105.45-50円でオープンしたのち、ドルがじり高推移。NY時間の米雇用統計の発表を控え、積極的な動意が乏しいなか、日中高値である105.65-70円まで値を上げている。しかし、「トランプ大統領の側近、ヒックス氏が新型コロナ陽性」と報じられたことに続き、「トランプ氏自身もコロナ感染」が確認されたことで一時パニック売りがかさむ格好となった。時間外で取引されているNYダウ先物は500ドルを超える下落をたどったほか、ドルも弱含み。16時現在では105.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日本の政局」について。
前者は、欧州における感染拡大で英国やスペインで「都市封鎖」策の再導入が発表されるなか、フランスでも保健相が「早ければ週明け5日にパリ首都圏のコロナ警戒レベルを最高レベルに引き上げる見通し」を明らかにし話題に。そうしたなか、前述したように本日東京時間に突如、「トランプ氏にコロナ感染」疑惑が浮上ししただけでなく、それが現実のものとなった。専属の医師によると、同時に感染が判明した妻のメラニアさんとともに、「大統領の体調は良好」だというが予断は許さない。一見元気そうにみえても、トランプ氏自身がすでに70歳を超える高齢者だ。重症化しやすいリスクがあることは忘れてはいけない気がしている。

対して後者は、菅新政権が誕生して以来、その高い支持率もあり、ずっと「早期解散思惑」、具体的には「年内解散思惑」も取り沙汰されてきたが、昨日読売新聞が「衆院年内解散、首相が見送りの公算」と報じたことで、憶測がやや後退した感を否めない。さらに、昨晩テレビ出演した加藤官房長官が「やるべきことをひとつひとつやりながら必要な時に国民の信を問うことに尽きると思う」と慎重姿勢を示したうえ、本日付け日経新聞において掲載されたインタビューで、自民党の山口選挙対策委員長も「まずは新型コロナ対策、経済対策をしっかりやる。国民も菅政権に期待している」と述べていた。一寸先は闇なのが政治の世界だが、取り敢えず年内の解散・総選挙は雲散霧消したと考えて間違いなさそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

本日のNY時間に9月の米雇用統計発表を控え、それまでは基本小動きを予想するなど油断も見られた金融市場に突如冷や水が浴びせられた。改めて指摘するまでもなく、「トランプ氏のコロナ感染」がそれにあたり、前述したように時間外で取引されているNYダウ先物が一時500ドルを超える下落をたどるなど、すでに一部については織り込まれた感があるものの油断は禁物だ。トランプ氏の体調次第とは言え、このあとの欧米時間に改めて材料視される可能性も否定出来ない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。先でも取り上げたように、NY時間に発表される米雇用統計が注目されてはいるものの、それ以外でも材料は多く、うちひとつは何度も指摘するが「トランプ氏のコロナ感染」になろう。大詰めを迎えている米大統領選への影響などのほか、ほかの閣僚への感染拡大など、政権内部における被害が広がることを懸念する声もあるなど、続報には是非とも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、チャート的には先日示現した105.80円が目先の高値となった感を否めず、足もとは104.00-105.80円というレンジを形成している。改めて指摘するまでもなく、本日は注目材料が多く、予断は許さないものの、ヒョッとすると先で指摘した1.8円レンジ内での動きが続く可能性も否定出来ない気がしないでもない。
ちなみに、少し遠いが上抜ければ107.05円がターゲットになる反面、割り込んだ場合には103.65-70円を目指す展開か。

本日、9月の雇用統計や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報といった注目度の高い米経済指標が発表される予定となっている。当然、それらの内容には最大限の注意を払いたい。
また、ほかに開催は微妙だが「米下院議長と財務長官によるコロナ経済対策協議」が実施される見込みとの指摘もあるほか、欧州では「英国とEUによる自由貿易協定(FTA)締結交渉」が最終日を迎えることになる。とくに後者が注視されており、ポンドの波乱要因にも!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.30-105.80円。本日の東京高値を含め、105.70-80円は何度もドル上値をレジストしており、なかなか強い抵抗に。ただ、しっかり上抜ければ106円台回復も。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値104.90-95円が目先のサポートだが、割り込むときにはかなりアッサリと下回る気がしている。その場合には104円前半、場合によっては104円ちょうどまでの下げは存外早いかもしれない。

「トランプ氏のコロナ感染」、続報に要注意

ドル円日足


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