米雇用統計、そして米株の動きに要注意(9/4夕)

4日の東京市場は、ほぼ横這い推移。NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、積極的な動意は見送られている。

米雇用統計、そして米株の動きに要注意(9/4夕)

米雇用統計、そして米株の動きに要注意

〇ドル円、米雇用統計を控え積極的な動意なく、ほぼ横ばい推移
〇中国情勢、台湾・インド・日本に対する発言続く
〇ADP雇用統計は予想比悪化だったものの、昨日発表の新規失業保険申請件数は逆に予想比改善の結果
〇注目の8月米雇用統計、発表後の米株式市場の動き警戒、為替市場にも影響の可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.60-106.70

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は、ほぼ横這い推移。NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、積極的な動意は見送られている。

ドル/円は106.10-15円で寄り付いたものの、ほぼ横這い推移。終日を通したレンジは106.05-106.25円といった20ポイント弱にとどまっている。時間外で取引されているNYダウ先物など日米の株価がやや荒っぽい変動をたどったが、為替市場に与える影響は限定的。大きな動意に繋がらないまま、16時現在では106.15-20円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選をめぐる動き」と「中国情勢」について。
前者は、アザー米厚生長官が、11月をメドに新型コロナウイルスワクチンの配布を全米で開始する計画について「大統領選との因果関係を否定」するなか、トランプ米大統領がその大統領選に関し、根拠を示さないまま「今年はもっとも不正の多い選挙になる」と発言していた。またトランプ氏は、郵便投票と投票所を通じ2回投票するようノースカロライナ州の有権者に促す発言をしたものの、野党民主党などからは強い批判が聞かれていたようだ。

対して後者は、訪台しているチェコの議長が台湾総統と会談を実施したことに、中国外務省が「公然とした挑発」とする批判を行っている。また、中国商務省はインドが発表した「モバイルアプリ使用禁止」について、「中国の投資家およびサービス提供企業の法的利益を侵害するものであり、誤りを是正するよう求める」とした声明を明らかにしていた。そのほか、習国家主席が抗日戦争勝利を記念する演説で、日本に対し「軍国主義の侵略の歴史を深く反省することを要求」したほか、「中国共産党や中国人民の分裂を狙ったいかなる勢力による試みも断じて容認しないと表明」していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

来週初にかけてのNY市場3連休を前にした動きなのか、昨日のNYダウはザラ場ベースで一時1000ドルを超える急落。また、ナスダックなど、ほかの米株指数も冴えない。このあとの欧米時間は発表される米経済指標、8月の雇用統計が注視されているものの、それを受けた米株式市場の動きを警戒する声も少なくないようだ。仮にNYダウなどが続落するようだと、為替市場においても再びドル安が進行することになるかもしれない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相辞任とその後継者人事」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。そうしたなか、このあと材料的にもっとも注視されているのは、前段でも指摘した8月の米雇用統計発表。ちなみに失業率は10%を割り込み9.8%、非農業部門雇用者数はプラス135万人程度が事前予想として見込まれている。2日に発表されたADP雇用統計は予想比悪化、しかし昨日発表の新規失業保険申請件数は逆に予想比改善だった。本日はいったいどういった数字になるのか注目だ。

テクニカルに見た場合、依然としてレンジ内。それも、本稿執筆段階では過去1ヵ月以上も続いている105-107円のちょうど中央付近での値動きだ。改めて指摘するまでもなく、方向性は乏しく、上下どちらにも動く可能性を秘めている。
それに対し、当局者の「口先介入」もあり、足もとやや冴えないユーロ/ドルは切り返せるか否か下値正念場が近づきつつあるようだ。反転できなければ、さらなる下押しも否定できないだろう。

本日、8月の米雇用統計が発表される予定で、まずはその内容に注目だ。前述したように、昨日と一昨日で同じ雇用指標ながら正反対ともいえる内容を示しただけに、先行きを読みにくい。ただ、先日の「ジャクソンホール会合」におけるパウエルFRB議長発言もあり、弱めの数字が出た場合の方がインパクトは大きいとの指摘も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.60-106.70円。昨日高値の106.55円が最初の抵抗。ちなみに、そのレベルは前回高値106.95円を起点とした下げ幅の76.4%戻しに当たる。したがって、超えた場合には100%戻しがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日も結局106円をしっかりとは割り込めなかったうえ、本日東京でもドルは底堅い。まずは106円レベルの攻防に注目だ。しっかり割り込むと、月間安値である105.60円や105.20円、105.10円などを目指す展開も。

米雇用統計、そして米株の動きに要注意

ドル円日足


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