基本レンジも、ドルの上値は重いイメージ(8/21夕)

21日の東京市場は、ドルが小安い。値動きそのものは25ポイント程度にとどまったものの、夕方にかけ下げ幅を拡大させ、ドルの安値圏で大引けている。

基本レンジも、ドルの上値は重いイメージ(8/21夕)

基本レンジも、ドルの上値は重いイメージ

〇ドル円、105円台後半でドルが小安い、値動き25ポイント程度にとどまる
〇米中関係、通商協議の開催など米中に温度差、市場マインドへ影響の可能性
〇8月以降すでに3週間近くレンジ取引、今後の方向性とブレークのタイミングが注視
〇本日PMI速報値・7月中古住宅販売件数発表、結果次第でドルの上値抑制要因となり得るのか警戒
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.00-106.00

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場は、ドルが小安い。値動きそのものは25ポイント程度にとどまったものの、夕方にかけ下げ幅を拡大させ、ドルの安値圏で大引けている。

ドル/円は105.75円前後で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。105.70-80円といった非常に狭いレンジ取引をたどるも、底割れすると、夕方にかけて105円半ばへと小幅に値を崩す局面が観測されていた。その後もドルの戻りは鈍く、16時現在では105.55-60円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」と「日本のコロナ感染状況」について。
前者は、先週末15日に実施される予定だった米中貿易協議が延期され、次回の日程が決まらないなか、ブルームバーグが「中国は米国と近く電話協議を行う」と報じ、近い将来の協議再開に期待が。若干とはいえ市場の安心感を醸すと、ドルの買い材料にもなっていた。しかし、米国サイドからのコメントなどがそののち観測されず、逆に不信感を抱く向きも少なくなかったようだ。実際、ロイターは「米中で通商協議の開催めぐり温度差」などと指摘、警戒感を喚起している。

対して後者は、時事通信が、新型コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」で、感染状況の分析に当たっている押谷東北大教授が「多くの地域で7月下旬から8月初めにかけてピークを迎えた可能性があるとの見解を示した」と伝えたことに続き、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長も日本感染症学会の学術講演会で講演し、「全国的に感染はだいたいピークに達した」と見方を披露したという。ただ、そうしたなか本日も東京都で新たに258人の新型コロナ感染者が確認されるなど、それほど楽観視できないように思われる。

<< 欧米市場の見通し >>

先週13日にドル高値107.05円を示現したことに続き、今週19日には105.10円をつけ、ドルの目先ボトムも確認した感がある。予断は許さないが、いましばらくのあいだ105.10-107.05円というなかなか居心地の良さげなレンジ内で一進一退をたどる展開を否定できないのかもしれない。ただ、一旦回復したかに見えた移動平均の21日線(105.85-90円)を再び下回ってきたことで、本日以降同レベルで上値を抑制されるようだと、ドルの下値リスクが高まりかねないといった声も聞かれていた。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相の健康不安説」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。そうしたなか、とくに注意を要するのは、情勢がいまひとつハッキリしない「米中関係」について。貿易協議の早期再開期待も聞かれるが、先で指摘したように、前向きな中国に対し、消極的な米国といった構図で確かに幾分の「温度差」もうかがえる。市場のマインドが「期待」から「失望」に再び傾斜すれば、ドルがさらに売り込まれても不思議はない。

テクニカルに見た場合、若干広めではあるが、ドル/円はザックリ言って105-107円という2円レンジの動きをたどっている。夏枯れのせいもあるのか、8月以降すでに3週間近くもレンジ取引だ。明確な方向性は乏しいと言わざるを得ない。いずれにしても、まずは足もとのボックス圏をどちらに抜けていくのか、その方向性とブレークのタイミングが注視されていることに間違いなさそうだ。

本日、8月のPMI速報値や7月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される見込みとなっている。昨日は発表された8月フィラデルフィア連銀景況指数、そして週間ベースの新規失業保険申請件数とも予想を下回る内容だっただけに、本日の指標に対しても警戒感を抱く向きは少なくない。弱い米経済指標の発表が続けば、ドルの上値抑制要因となりかねないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.00-106.00円。昨日再び下回ってきた移動平均の21日線(105.85-95円)をめぐる攻防にまずは注視。しっかりと上抜ければ、昨日高値106.21円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、直近安値である105.10円がサポートとして意識されている。割り込めば104円台突入となりそうだが、その場合でも取り敢えずは底堅いイメージ。

基本レンジも、ドルの上値は重いイメージ

ドル円日足

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