ドルの下値不安後退も、頭は重いイメージ(8/3夕)

週明け3日の東京市場は、「行って来い」。ドル買いが優勢となり、一時106円台を回復したものの続かず、105円台に押し戻されている。

ドルの下値不安後退も、頭は重いイメージ(8/3夕)

ドルの下値不安後退も、頭は重いイメージ

〇ドル円、一時106円台を回復したが続かず、105円台に押し戻される「行って来い」の様相
〇「TikTokをめぐる動き」と国際的な「大型M&A」が材料的に注目
〇新型コロナ感染拡大、米国を中心にいまだ衰えず
〇本日発表される7月のISM製造業景況指数、注視する動き
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.40-106.40

<< 東京市場の動き >>

週明け3日の東京市場は、「行って来い」。ドル買いが優勢となり、一時106円台を回復したものの続かず、105円台に押し戻されている。

先週末には、米ジョンズ・ホプキンス大学の最新集計で「新型コロナの世界感染者が1800万人に迫った」ことが明らかになったうえ、「米マイクロソフトが中国バイトダンスから動画共有アプリTikTokの米国部門買収交渉を行っている」などとした報道が相次ぎ、市場参加者のあいだで話題に。
そうした状況を踏まえたドル/円は寄り付いた105.70円レベルを日中安値にドル買いが先行。106円前後ではストップロスを巻き込んだこともあり、一気に高値106.40-45円まで値を上げている。しかし、勢いは続かずに軟落すると、そのままズルズルと105円台へ。結局、寄り付きに近い105.75-80円まで下落するなど、「行って来い」の様相を呈する局面も。16時現在では小反発した105.90-95円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「TikTokをめぐる動き」と「大型M&A」について。
前者は、大きく2つのニュースに分けられ、うちひとつは米国内での利用についての話になる。トランプ米大統領が「国内での利用を禁止する」意向を示したほか、米財務長官からは「現状の組織形態では存続させない」との発言が聞かれていたようだ。また、もうひとつのニュースは、前段で取り上げた「マイクロソフトによる買収交渉」に関する話となり、ダウジョーンズが「交渉保留中」と協議難航を暗示させたものの、当事者であるマイクロソフトは「交渉を継続する」考えを示したうえで、9月15日までに結論を出す意向と発表していた。

対して後者は、週末以降に国境を越える幾つかの大型M&Aが報じられ、為替市場の一部で話題に。たとえば、欧州委員会が「フランス鉄道車両大手アルストムによるカナダ重工大手ボンバルディアの鉄道事業買収を条件付きで承認」したほか、ブルームバーグは「ロンドン証券取引所グループが、傘下のイタリア証券取引所の一部もしくはすべての株式の売却に向けた協議を始めた」と報じていた。また、「米石油精製・販売大手マラソン・ペトロリアムは、コンビニ部門をセブン&アイ・ホールディングスに210億ドルの現金で売却することで合意した」と発表。それらが金融市場における為替手当てを発生させるとの連想に繋がっていた面もあったという。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナの感染拡大はいまだ衰えない。日本も予断の許さない状況だが、やはりもっとも警戒を要するのは米国の状況だろう。そうしたなか、ロイターは自社の集計として、「米国では7月だけで死者が2万5000人超増加、19州で感染者が倍増した」と発表、物議を醸していた。ここ最近は、新型コロナが11月に実施される米大統領選と絡めた「政争の具」になっている感も否めないなど、この先も引き続き動静には要注意だ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数あるなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、メインは週末の7月雇用統計になるが、今週は週間を通して重要な米経済指標の発表が相次ぐだけに、週明けから米ファンダメンタルズ要因にも一応の注意は払っておきたい。なお、本日でいえば7月のISM製造業景況指数をとくに警戒する向きが多いようだ。

テクニカルに見た場合、途中でストップロスを巻き込んだとはいえ、先週末安値から見て短期間でドルは2円以上も戻してきた。予想以上の反発で、少なくともドルの下値トライが仕切り直しとなったことは確かだろう。問題はここから先だが、かつて推移していた106-108円を中心としたレンジに回帰するのか、それとも上値を確認し再び下値模索へと向かうのか、ここ数日の動静をしっかりと見極めたい。

本日、7月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっており、それらの内容を注視している向きは少なくない。また、ブラード・セントルイス連銀総裁やバーキン・リッチモンド連銀総裁などによる講演も実施される見込みで、そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.40-106.40円。上方向は、東京高値にあたる106.40-45円の攻防にまずは注視。その少し上には移動平均の21日線も位置しており、予想よりドルの上値は重いのかもしれない。
対するドル安・円高方向は、105円半ばが目先のサポートで、割り込んでも105.30円などがやはり下値メドとなりそう。先週末に記録した安値104.19円は近そうで遠いイメージだ。

ドルの下値不安後退も、頭は重いイメージ

ドル円日足


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