ドル安基調は継続か、下値メドの確認も(7/28夕)

28日の東京市場は、ドルが小高い。早朝こそ冴えない展開をたどったが、その後はドル買戻しが優勢だった。

ドル安基調は継続か、下値メドの確認も(7/28夕)

ドル安基調は継続か、下値メドの確認も

〇ドル円105円台で小高い、米10年債利回り上昇を好感
〇新型コロナ、ワクチン開発に期待も引き続き「第2波拡大」を懸念
〇「中国情勢」、日本やカナダでも動きあり
〇世界情勢に不透明感漂うなか、金の現物価格は史上最高値更新、南アフリカ経済の状況悪化
〇発表予定の米経済指標、米FOMCにも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.10-106.00

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場は、ドルが小高い。早朝こそ冴えない展開をたどったが、その後はドル買戻しが優勢だった。

ドル/円は105.35-40円で寄り付いたのち、ドルがじり安。105.20-25円へと小緩んだものの、前日記録したドル安値は割り込めず。反発に転じると、そのまま105.65-70円までドルは買い進められている。米10年債の金利が上昇したことなどが好感されていたという。引けにかけて小緩むも底堅く、16時現在では105.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「南ア情勢」について。
前者は、テドロスWHO事務局長が記者会見で、「新型コロナウイルスは過去の緊急事態と比べ、もっとも深刻だ」と警告。また欧州では、パネッタECB専務理事から「新型コロナウイルスの危険性はユーロ圏から去っていない」との発言、米国においては「オブライエン米大統領補佐官の新型コロナ感染」が明らかに。世界的にみても危機感は引き続き強い状況だ。ただ、そうしたなか希望の光である幾つかワクチン関係の報道も観測されている。たとえば、米バイオ医薬大手モデルナは「米政府の支援を受け、3万人を対象とした後期治験を開始」と発表、トランプ米大統領は富士フイルムの米国工場を視察したうえで、ワクチン開発に楽観的見方を示していたという。

対して後者は、「米中の対立」などを嫌気、世界情勢に不透明感が漂うなか、金の現物価格が史上最高値を更新中。ただ、南アフリカの経済状況は悪化しており、格付け会社のフィッチは「今年の同国経済は、新型コロナの影響で最大6.6%縮小する見通し」を示していた。それに対し、IMF理事会は新型コロナ対策として、「南アについて43億ドルの緊急融資を承認した」と発表している。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したようにワクチン開発についての明るい話題も聞かれるが、如何せん実用化までにはクリアすべき課題も多いうえ、時間もかかる。引き続き新型コロナの「第2波拡大」が潜在的な材料として寄与することは間違いない。また、それとは別に「米中の対立」をメインとした「中国情勢」も気掛かり。たとえば、日本でも「自民議連、Tik Tokなど中国発アプリ制限を提言へ」と伝えられているほか、カナダでは「中国による北極圏の金鉱買収に反発が噴出」しているという。中国サイドの反応を含めた、続報などにも要注意だ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、短期的には米ファンダメンタルズ及び、金利動向への関心も高い。つまり、発表される米経済指標、そして今日明日に実施される米FOMCにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドルは昨日105.12円まで下落、本日東京でも近いレベルまで一時軟落していた。フィボナッチで見た場合には、年初来安値101.19円を起点としたフィボナッチのサポート105.20円(61.8%押し)を下回ってきたことになり、76.4%押しに当たる103.65-70円が次のターゲットに。実際に103円台となるとやや遠いため、105円レベルそして104.45円などが下値メドとして意識されている感を否めない。

本日、7月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
先週発表された米雇用指標が悪化するなど全般的に冴えなかったが、昨日発表された7月のダラス連銀製造業活動指数などは逆に予想を上回る内容に。米指標は斑模様で、判断に迷う局面だ。いずれにしろ、本日の指標についても市場筋の関心は非常に高い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.10-106.00円。上方向は、本日のドル戻り高値にあたる105.65-70円にまずは注視。このレベルは、先週末のドル安値105.68円で、現在は逆に抵抗として寄与している感もある。上抜ければポジションの偏りもあり、106円台回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した安値105.12円をめぐる攻防に注目。下回ると105円ちょうどがターゲットとなるが、ストップロスなど巻き込みつつ104円台突入も否定はできない。

ドル安基調は継続か、下値メドの確認も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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