ユーロドル夕刻一時1.17割れ 前日高値に到達できず失速
〇ユーロドルは昨晩1.1781まで上昇高値を更新、本日午前中は高値試しするも届かずに夕刻にかけ失速
〇テクニカルには1.1820-30レベルが長期的にも重要なポイント
〇コロナ、米中関係の転換等の大きな要因を為替市場がどう受け止めるのか引き続き注視
〇短期的にはFOMC、GDPに要注意
28日の東京市場でユーロドルは反落。昨晩も米国での新型ウイルス拡大懸念はおさまらず、また、FOMCを控えFRBの金融緩和策長期化への懸念も強く、ドルは主要通貨に対して下落を続けました。これを受けてユーロドルは昨晩も上昇を継続、深夜に一時1.1781の高値をつけています。
しかしその後は米国の対コロナ政策への期待感もあり、ややドルに買い戻しも入り、1.17台半ばでアジア時間を迎えました。
東京時間に入ってからはいったん上値を試す場面もありましたが、1.1774までで反落。欧州勢参入後も続落し、一時1.1699まで押しが入り、東京時間19:00現在は1.1730レベルでの取引です。
ユーロドルは2018年2月から約2年かけて下げてきた幅の6割を、昨晩までの4か月ほどで取り戻した計算になり、スピード的にも水準的にも一服感の出てきて不思議のないところです。また昨日も書いた通り射程圏に入った上記61.8%戻しの1.1820-30レベルは、2008年夏からのユーロの長期下降トレンドの上限とも一致しており、今後のユーロドルの方向性を占ううえでも重要な局面にさしかかりつつあります。
米国がコロナ感染拡大封じ込めに失敗しているとみられる中で、米中関係は双方の領事館閉鎖というこれまでとは全く異なる次元の応酬となっており、歴史的転換点を迎えた可能性も指摘されています。
短期的には本日と明日開催されるFOMCの現状判断と追加緩和策のサインの有無、30日発表の米国の第2四半期GDP等の指標を睨みながら、今後のユーロドルの動向、あるいは広くドル全般の動きからは目を離せません。
序盤の欧州主要株価指数はまちまち。本日この後は、23:00に米7月の消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数の発表があります。
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