ドル円、ついに心理的節目105円割れ。本日は米FOMCがメインイベント(7/29朝)

28日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に急反落。

ドル円、ついに心理的節目105円割れ。本日は米FOMCがメインイベント(7/29朝)

ドル円、ついに心理的節目105円割れ。本日は米FOMCがメインイベント

〇ドル円海外時間に104.95まで急落、その後も戻りは鈍く105.10近辺で推移
〇消費者信頼感指数の冴えない結果等が重石に
〇ユーロドル1.17割れ水準まで急反落後1.17台前半で推移
〇ドル円テクニカルの地合い悪く、ファンダメンタルズもドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積み
〇新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドライン、米中対立激化を巡る続報、米FOMCの結果等注視
〇本日の予想レンジ104.60ー105.60

海外時間の為替概況

28日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に急反落。前日海外時間に値を崩した反動から、ショートカバーが活発化すると、アジア時間午後にかけては、一時105.68まで反発する場面も見られました。しかし、@米中対立激化を嫌気したドル売り圧力(米経済の先行き不透明感→ドル独歩安)や、A米FRBによる金融緩和長期化観測(米FOMCでの根強い追加緩和期待→ドル売り)、Bアジア株および欧米株の下落を背景としたリスク回避の円買い圧力(新型コロナウイルスの感染拡大)、C米7月コンファレンスボード消費者信頼感指数の冴えない結果(結果92.6、予想94.5)が重石となると、米国時間にかけて、3/13以来、約4ヵ月半ぶり安値となる104.95まで急落しました。引けにかけては小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.11付近で推移しております。尚、FRBはこの日、新型コロナ緊急融資プログラムの期限を3ヵ月間延長することを発表しました(引けにかけてダウ平均が下げ幅を縮小させ、ドル円も小反発)。

28日(火)のユーロドル相場は高値圏から急反落。@EU復興基金案の合意成立を背景とした欧州経済の回復期待(ユーロ買い)や、A米中対立激化を嫌気した対主要通貨でのドル売り圧力(米経済の先行き不透明感→ドル独歩安)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけては、一時1.1774まで上昇しました。しかし、前日(7/27)に記録した約1年10ヶ月ぶり高値1.1782をバックに伸び悩むと、Bここ数週間急騰を続けてきた金価格や銀価格が急落したこと(リスク回避のドル買い再燃)や、C欧州株の冴えない動きが重石となり、欧州時間朝方にかけては、一時1.1699まで値を崩す場面も見られました。もっとも、心理的節目1.17近辺では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、引けにかけて再び反発。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1723近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、7/1に記録した高値108.17(約3週間ぶり高値)をトップに反落に転じると、昨日(7/28)は一時104.95(約4ヵ月半ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的にみて、「地合の悪さ」を印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナ第2波リスク(米経済の先行き不安→消費者信頼感指数の悪化)、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます(通貨オプション市場でも円コールオーバーが拡大するなど、ダウンサイドを織り込む動きが活発化)。欧米株や商品市況(特に金価格)、新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドライン、米中対立激化を巡る続報、米FOMCの結果を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(米国の金融緩和長期化観測を背景としたドル売り圧力と、リスク回避ムード再燃を背景とした円買い圧力の組み合わせ。ドル安の側面と、円高の側面双方の影響からドル円には下落圧力が加わると予想)。

尚、本日の米FOMC(連邦公開市場委員会)では、現行政策の維持(政策変更なし)が見込まれるものの、足元で直面する新型コロナウイルスの感染再拡大や米中対立激化を受けて、パウエルFRB議長が記者会見でやや強めのハト派寄りのメッセージ(@フォワードガイダンスの見直しや、Aイールドカーブコントロール導入を巡る議論、B資産買い入れの拡大示唆など)を送る可能性もあり、イベント通過後の「ドル売り」再開リスクに注意が必要です。

本日の予想レンジ:104.60ー105.60

ドル円、ついに心理的節目105円割れ。本日は米FOMCがメインイベント

ドル円日足

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