ドル円安値圏で横ばい推移 105円の攻防続く
〇ドル円一時105円割れ昨晩海外安値に並ぶ 105円の攻防続く
〇市場に米国発のリスクの認識が広がる中、ドルからの資金流出顕著に
〇金、スイスフラン等が買われる中で円の避難通貨性もやや回復
〇105円を完全に割り込むと103円台後半までの下げ余地広がるため帰趨注視
29日午前の東京市場でドル円は105円台前半中心の横ばい推移。9時過ぎに一時104.96と昨晩の安値レベルまで値を下げたものの、滞空時間はごく短く、104円台でのドル買い意欲の強さを確認した形です。ただ戻りも105.24までと鈍く、105円丁度をめぐる攻防継続。東京時間正午現在は105.05レベルでの取引です。日経平均午前は178円安で終了しています。
昨晩海外市場では米7月の消費者信頼感指数の悪化や、米国のコロナ追加経済対策をめぐる与野党の対立を嫌気して、リスクセンチメントの悪化が続きました。米主要株価指数は軒並み下落、ドル円は円の危険避難通貨としての性格がやや戻り、3月以来の105円割れを示現、一時104.96をつけました。ただ、その後は105円台に押し戻されて、東京時間を迎えています。
市場では米国発のリスクが強まる中、金が史上最高値を更新、昨晩1オンス当たり初の2,000ドル台に乗せる局面もあり、為替ではスイスフランが上昇、仮想通貨にも買いが集まるなど、コロナ感染拡大時にリスク回避で買われていたドルからの資金流出が目立つ動きとなっています。今年に入り危険避難資産としての性格がやや薄まっていた円にも徐々に買いが集まるようになってきています。
米国でのコロナウイルス感染拡大が続く中で、先に封じ込めに成功した中国の南シナ海への実効支配強化や香港国家安全維持法の導入等、あからさまな覇権主義が目に付くようになっており、これに対し大統領選を意識したトランプ政権が、選挙戦での不利な形成を挽回する意図もあってか、日に日に強硬姿勢を強めていることに市場の不安感が増しています。
テクニカルにはドル円は昨日同様と変わらず。105円を明確に下抜けると103円台後半までの下げ余地が広がります。FOMCの結果公表を明日未明に控え、ここからは動きにくい時間帯となりますが、午後も105円をめぐる動きに注目です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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