米雇用指標を注視、2週連続の波乱も
東京市場の動き
2日の東京市場は、レンジ内で乱高下。価格変動はわずか55ポイントほどと、ここ1ヵ月程度でみればかなりの小動きにとどまっている。
ドル/円は107.10-15円で寄り付いたのち、わずかに下落するも107円は割り込めず。そののちは、日経平均安・NYダウ先物高という日米株価が股裂き商状をたどるなか、ジリジリとしたドル高が進行した。日中高値の107.55-60円まで値を上げたものの、買いも続かず軟落に転じると「行って来い」に。寄り付きレベルである107.15円レベルへと下落し、16時時点では107.30-35円で推移、欧米時間を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「新型コロナをめぐる米国の状況」と「原油安打開に向けた動き」について。
前者は、NY州知事が「感染拡大のピークは4月末」との見込みを示したうえで、最終的な推定死者数は1.6万人との分析結果を明らかに。また、米ジョンズ・ホプキンス大学は前日の「米国の死者数が中国を上回った」としたことに続き、今度は「新型コロナウイルスへの感染者は最多の米国で20万人超に上った」と発表している。ちなみに、後者は2位イタリア(約11万人)の2倍近くだ。そうしたなか、国際決済銀行(BIS)が報告書を発表し、「FRBのドル供給対策を評価する一方、資金フローの確保に向けさらなる対応が必要」との考えを示していた。
対して後者は、ここ最近の原油安を嫌気、打開に向けた会談などが幾つか観測され始めている。たとえば、「米露のエネルギー相が電話会談」したことが明らかになったうえ、プーチン露大統領は「主要な生産者と消費者とともに状況を緩和する解決策を見つけなければならない」と発言していたという。ただ、その一方でロイターは、「米国が増産自粛で圧力をかけているにもかかわらず、サウジアラビアの原油供給量は過去最高水準に増加」と報じるなど、対応の難しさも露呈されていた。
欧米市場の見通し
ドイツが「全国的な都市封鎖を4月19日まで延長する」と発表するなど、行動自粛要請の強化を受けた「コロナ疲れ」が世界各地で取り沙汰されるなか、金融市場も倦みはじめており、関連ニュースに対して反応が少し鈍くなってきた感を否めない。ただ、当然のことながら一連の騒動が終息したわけでもなく、むしろ米NYや東京がロックダウン(都市封鎖)する可能性なども決して低くないだろう。現状は飽くまでも中休みといったものであり、今後到来すると思われる第2波、第3波にしっかりと備えるときではなかろうか。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。欧米諸国を中心とした感染拡大の情報や金融を含めた経済対策なども当然要注意なのだが、発表される経済指標や世界的な大手企業の業績見通しなど、目に見える形での影響を懸念する声も広がりつつあるようだ。たとえば、昨日でいえば自動車大手のGMが「1-3月期自動車販売は前年比約7%減」と発表、思惑を呼んでいたが、本日も同様の発表などには注意を払いたい。
(ドル円日足)
テクニカル面からすると、ここ数日は107円前後で下げ止まっている感もあるが、リスクそのものは下向きか。3月24日のドル高値111.71円を起点にした下げ波動のなかの中段保ち合いにあるのかもしれない。
そんなドル/円の次の下値メドは、前回安値101.19円を起点としたフィボナッチでは半値押しの106.45円レベル、61.8%押し105.20円レベルなどとなる。
本日は、2月の貿易収支や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。
ちなみに、後者は先週発表された数字が過去最悪。ネガティブサプライズの328.3万件超を記録しており、今週も事前予想値は350-380万件といった数字が見込まれている。悪い数字という意味ではすでに織り込まれているものの、どの程度悪化するのか、その内容をしっかりと注視したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.40-107.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の107.55-60円で目先の抵抗。上抜ければ、今月に入ってからまともにつけていない108円や、移動平均の200日線が位置する108.30円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録した安値106.93円をめぐる攻防にまずは注視。しっかり割り込んでくるようだと、先で指摘した106.45円レベルが意識されそうだ。
オーダー/ポジション状況
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