豪ドル/円、上値余地が限られる可能性。
新型コロナウィルスが猛威を振るう中で各国中銀は流動性資金の供給を厚くしており、中でも米連邦準備銀行(FRB)は量的緩和を無制限にしてドル資金のひっ迫に対応しています。また経済面においてもトランプ政権は2兆ドル規模の財政拡大を表明しており、これを評価して金融市場のパニック的な動きはかなり収まったかに見えます。しかし、足元では早すぎる感染の拡がりに医療機能不全の状態に陥る懸念も生じており、医療現場がいまだ予断を許さない状況にあることから、その効果は不透明な状態です。こうした中で豪ドルは3/14のアメリカの非常事態宣言発令に対米ドル、対円で急落しましたが、3/19には対ドルで0.5510、対円でも59.91の安値を示現後、先週末には急落前の水準まで戻しています。オーストラリア中銀は3/19の金融政策決定会合時に「完全雇用に向けて前進するまでは政策金利を低い水準に留める」としており、金融緩和的な政策を持続する構えです。
チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.91の長期的な下値抵抗ポイントに跳ね返されて一旦底打ち、反転の流れ入りましたが、直近の陰線(4/1)が下値を切り上げる流れから若干下抜けた位置で終えており、日足の形状に変化を生じさせています。調整下げ局面に入った可能性が生じており、3/19に付けた安値との二番底を窺う動きとも見て取れます。日足の上値抵抗は65.60-70、66.00-10、66.70-80に、下値抵抗は64.90-00、64.00-10、63.50-60にあります。21日、120日、200日移動平均線は66.42、72.98、73.20に位置しており、短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っています。
一方直近の週足は前週足から下寄りのスタートとなりましたが前週のタクリ足の陰線を切り返して陽線で越週しています。この陽線の出現で64円台の足もとがややしっかりとした形となりましたが、中期トレンドが弱いことから下値リスクを残しており、63.50割れで越週した場合は再び下落リスクが高くなります。週足の上値抵抗は66.00-10、66.60-70に、下値抵抗は64.20-30、63.50-60にあります。63.50割れで越週した場合は再び下値リスクが高くなり、61〜62円台の足元を固め直す動きが強まり易くなります。31週、62週移動平均線は72.83と74.63に位置しており、中・長期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにあります。
豪ドル/円【週足】:4/1現在31週移動平均線は72.83に、62週線は74.63にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにある。)
オーダー/ポジション状況
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