ドル円 金融市場は落ち着くか、G7財務相会談を注視(3/17夕)

17日の東京市場は、ややドル高。これまでと比較すると、若干落ち着いてきた感も見受けられたが、それでも1円を超える変動を記録している。

ドル円 金融市場は落ち着くか、G7財務相会談を注視(3/17夕)

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は、ややドル高。これまでと比較すると、若干落ち着いてきた感も見受けられたが、それでも1円を超える変動を記録している。

ドル/円は寄り付いた105.95円前後を日中安値に、緩やかな右肩上がり。一時は107円台を再び回復する局面も観測されていた。前日比275円安で寄り付いた日経平均株価が500円強へと下げ幅を拡大させたのち、一転してプラス圏を回復する局面が見られたことなどが好感された。
しかし、勢いは続かずに106円台へと軟落すると、以降は106円台での揉み合いに。16時時点では106.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。

材料的に注視されていたものは、「新型ウイルス」と「各国の経済・金融対策ならびに発言」について。
前者は、日本がイタリアやスペイン、スイスの一部地域など「欧州への渡航中止勧告」を拡大させるなか、そのなかのひとつイタリアは中国以外で初となる「感染による死者が2000人を超えた」ことが明らかに。また、世界的な感染拡大が取り沙汰されるなか、トランプ大統領から「ウイルスの影響で米経済がリセッションに向かう可能性もある」、「問題は7-8月まで続く可能性もある」などといった発言が聞かれた。

対して後者は、豪州が景気刺激策第2弾を打ち出す方針を示したほか、欧州投資銀は域内の中小企業に対し「最大400億ユーロの支援が実施できる」との考えを明らかにしていた。そうしたなか、トランプ氏などG7首脳が電話会談を実施、「必要なら何でもするという経済政策で一致した」という。さらに、麻生財務相が「17日の夜にもG7財務相会談を行う」と発言、市場の期待感を後押しした。

<< 欧米市場の見通し >>

NYダウの荒れ相場はとどまることなく、昨日はついにザラ場ベースで3000ドル超の下落を達成している。終値ベースでも、率に換算して13%近い下落だった。もはやこうなると、どこが底値なのか容易に判断することは出来ないが、最近のパターンをみると「下落の翌日は上昇」、「上昇の翌日は下落」というケースが少なくない。つまり、「底入れした」ということではないにせよ、本日に限れば大きく反発に転じる可能性も否定出来ず、その場合には為替市場においてドルの下支えとなりそうだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は山積みとなっている。もっとも注意を要するのは依然として「新型コロナウイルス」絡みの話題。そうしたなか、昨日も「発生源をめぐる米中のマウントの取り合い」は気掛かりと指摘したが、ペルーのノーベル文学賞受賞者を巻き込んで、騒ぎがさらに拡大している感もある。続報には一応要注意。なお、それとは別に前述したように、麻生財務相が発言した「17日の夜にも実施される見込みのG7財務相会談」はしっかりと注視しておきたい。金融市場はようやく安定化へと向かうことになるのだろうか。

テクニカルに見た場合、依然として1円を超える変動で荒っぽいといえばその通りだが、少しずつ値動きが収れんされつつあるのかもしれない。短期的には、今週ここまでのレンジである105.15-107.57円といったなかでの変動が続く可能性もある。
ただ、株価の動き次第ながら敢えて言えばリスクは上向きか。東京高値の107.15-20円、あるいは前述したレンジ上限107.57円を超えていく展開にも一応要注意。

これから2月の小売売上高や3月のNAHB住宅市場指数という米経済指標が発表される予定だが、地合いからすると市場への具体的な影響はそれほど大きくないかもしれない。
なお、今週最大の注目要因とみられていたFOMC(17-18日)は、15日の臨時会合を受け開催が中止された。ただ、先でも取り上げた「G7財務相会談」には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.60-107.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の107.15-20円の攻防にまずは注視。上抜ければ、昨日高値の107.57円さらに依然として空いたままのギャップ上限である108円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートが位置する106円前後が最初の下値メド。割り込むと昨日安値の105.15円が再び視界内に。

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