豪州中銀議事要旨(2020年3月17日公表:理事会は3月3日開催分)

2020年3月3日理事会開催、3月17日公表分です。

豪州中銀議事要旨(2020年3月17日公表:理事会は3月3日開催分)

豪州中銀議事要旨

今回の議事要旨では、コロナウィルスの影響が大きくなり、先々の不確実性が高いので0.25%の利下げを実施し、今後も追加緩和方向で合意しています。まずはその要旨は以下になります。

(議事要旨)
(金融政策に対して考慮する事柄)
政策の決定を考えるにあたり、委員達はコロナウィルスが世界中の経済活動に主要な混乱を引き起こしていることが益々明らかになったことを確認した。この突発事態は貿易や製造業活動の足踏み状態から徐々に立ち直る世界経済の流れの中で起きた。しかしながら突発後には、中国やその他の国の経済の生産高の伸びは今年上半期で著しく低下したと見られている。そしてそれは内需低下を伴い、旅行減少やサプライチェーンの混乱を伴っている。中国以外でのコロナウィルスの突発発生と、更なる広がりを阻止する努力の広がりは世界経済へのより広範な混乱の見通しとなった。これらの努力がどの位必要か、また世界経済がどの時点で回復するのかを推し量るには時期尚早である。突発事態に呼応し、中国含め幾つかの国で政策手段が発表された。インフレは、失業率が低いにも関わらず、ほとんどの主要国で依然低い。

市場参加者がコロナウィルスの影響を査定したことで、金融市場はよりボラタイルになった。多くのリスク資産市場の急激な下げを伴った。突発事態により引き起こされた不確実性や、それに伴う中銀の緩和政策への期待感が、豪州含めた主要国で、長期国債イールドを歴史的に低い水準まで下げた。豪州ドルはここ10年間以上で最低水準まで弱くなった。豪州金融市場は効率的に動いている。中銀は国内金融市場の流動性を確保し続ける。

世界へのコロナウィルスの出現は豪州経済に著しい影響をもたらした。とりわけ、教育・観光業部門である。突発発生に伴う不確実性が今後数ヶ月、家計消費や企業投資に影響を与えるだろう。結果、3月末期のGDPの伸びは、以前の予想より明らかに弱くなり、それが通常の水準まで戻るのにどの位かかるのかを予想するのは難しい。混乱が過ぎれば、GDPは低金利、高水準のインフレ投資、豪ドル安、資源部門のより強い投資、居住用住宅建設や個人消費に支えられ回復が予想される。豪州政府はコロナウィルスによって最も影響を受けた経済分野の助けると支持している。

これらの進展を踏まえ、メンバーは、コロナウィルスの大発生の前でも、完全雇用とインフレ目標への進展が徐々にしか行かないと予想されていたことに留意し、最善の対応方法を検討した。コロナウィルスの突発事態は、その進展をさらに遅らせると予想した。

可能な金融政策での対応を検討するにあたり、委員達は、豪州政府が財政政策により、投資あるいは企業や雇用に影響与える流動性を支えられるという指示を歓迎した。そしてまた、より低い金利が、豪ドル安や流動性を高めることを通じて、雇用や経済活動を支えることを議論した。委員達は金融と財政の両面からの対応がコロナウィルスによって混乱した挑戦する経済取引を手助けることになると確認した。

委員達はコロナウィルスの突発発生が近い将来に抑制され、経済活動が急速に回復するシナリオを含む、幾つかのシナリオを検討した。(一部略)

委員達はまた、金利の一段下げが、既に上昇機運にある住宅市場のタイミングで追加借り入れを活発化させるかなどのリスクについて議論した。現状の深まる不確実性に対応し、そのリスクは金利低下から得られる恩恵よりも相対的に高いものではないと見通した。

理事会は、雇用や経済活動を追加的に支えるために、コロナウィルスの突発発生に対応した一段の緩和策が適切であると結論付けた。委員達は、完全雇用とインフレ目標達成するという豪州経済には更なる低金利の期間が望ましいと考えることは理に適っていると合意した。委員達は今後数週間で急速に変化する動きを監視する重要性やコロナウィルスが経済に与える影響を査定するために密に連絡することの重要性について合意した。理事会は豪州経済を支援するため、更なる金融緩和を用意するとした。

決定事項
理事会はキャッシュレートを25ベーシス下げ0.5%に下げることを決定した。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(出所:豪州中銀HP)


下図は豪ドル米ドルの週足チャートです。ラインA(=0.6935)とB(=0.6135)で豪ドル安トレンドを形成し、現在は下限Bに絡んでいるところです。もし今週末に0.6140以上で終わると、2週続けてヒゲだけの下抜きになります。逆に維持できないと一段安トライとなります。今週は分岐点2回目トライになっています。

一方、移動平均線の赤は38週線(0.6783)と青は62週線(0.6889)にあります。2018年6月にデッドクロスしてから、概ね38週線が戻り高の上限を形成しています。僅かに昨年12月62週線までタッチしに行きました。従い、現状では豪ドル安継続で、仮に調整の戻りがあっても、当面の戻り最大は0.6783になります(もちろん先々は移動平均線が下がります)。

また、2019年1月にあるラインBの下限が0.6840で、この時点の38週線が0.7322でしたので、乖離幅が480ピップスでした。今現在のスポットが0.6082ですので、乖離幅はなんと約700ピップスあります。これだけ売られ過ぎ状態でラインBを割って今週末に終われるのか注目しています。

豪州中銀議事要旨

(2020年3月17日16時00分、1豪ドル=0.6082米ドル)

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