新型肺炎リスク残るが、一時的な戻り歩調か
<< 東京市場の動き >>
29日の東京市場は、揉み合い。109円台前半、20ポイントにも満たない非常に狭いレンジ取引に終始している。
ドル/円は109.10-15円で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意は手控えられた。109.05-25円といった狭いレンジでの一進一退に。日経平均株価は終値ベースで163円高、時間外で取引されているNYダウ先物も70ドル程度上昇と、日米株価はともに堅調推移となったものの、為替市場への影響は限定的だった。引き続き新型肺炎への警戒感が強く、ドル上昇の足かせとなっていた感を否めない。16時時点では109.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」と幾つかの「米国ファクター」について。
前者は、「豪州でワクチン開発に前進」との報道や、前日「ホワイトハウスは中国便の停止を求めた」とされた一部報道が否定されるなど、一部で好感されるニュースもあったが、依然として警戒感は強い。とくに日本の場合には、本日早朝にチャーター機で中国武漢から帰国した日本人のうち「5人が体調不良などを訴えた」と報じられ、これが危機感を醸していた面もあったという。なお、中国当局は前日「感染例は4515件、死者は106人」としていた公式見解を「感染例は5974件、死者は132人」と修正している。
対する後者は、米国がかねてから警告を発してきた英国において、「『5G』にファーウェイ限定容認を決定」され、米政府高官から「強い失望」などとした発言が聞かれていた。また、トランプ氏が「中東和平案」を発表したものの、パレスチナのアッバス自治政府議長は「米国とイスラエルの陰謀」などと受け入れ拒否を表明している。そのほか、野党民主党が主導する米下院外交委員会において、米国務長官がイラン・イラク政策に関する公聴会で証言することに同意したとの報道もあり、思惑を呼ぶ。
<< 欧米市場の見通し >>
引き続き、金融市場は新型肺炎の話題一色。先で指摘した最新の発症者数「5974件」は、今回と対比されることの多い2003年「SARS(重症急性呼吸器症候群)」の感染者数を早くも上回った(当時は5327件)とされる。爆発的な被害の拡大で、まだまだ当面騒動は収まりそうにない。日米株価や為替市場におけるドル/円は足もと戻り歩調だが、取り巻く状況を鑑みると、いましばらく上値の重い展開が続く可能性もある。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」など注意すべき要因は少なくない。
そうしたなか、目先とくに注視されているものは「新型肺炎」だが、本日は予定されているFOMCとパウエルFRB議長の記者会見も注視されている。ちなみに、FOMCにおける政策金利は「据え置き」との見通しが大勢だが、問題は後者の記者会見。今秋の米大統領選もあり、利上げには動きにくい環境下、新型肺炎を受けた中国経済への影響など外部環境を考慮し、やや弱気のコメントが発せられる可能性も取り沙汰されていた。
テクニカルに見た場合、小動きながら本日東京で上方向に空けた週初のギャップを埋めにかかったが、埋めきれたか否かは微妙なところ。実際、筆者使用のデータでは109.25-28円と、わずか3銭ながらいまだギャップは残存している。引き続き、上方向のギャップをめぐる攻防に要注意だ。なお、しっかり超えれば109.65円レベルが、そのターゲットに。
一方、材料的に見た場合、12月の中古住宅販売成約指数など幾つかの米経済指標が発表される予定だが、それほど注目度の高いものはない。
それよりむしろ、本日はFOMCとパウエルFRB議長の記者会見に要注意。新型肺炎に関するニュースに隠れてしまったが、昨日トランプ氏は「金利を引き下げるべき」と再び発言、FRBにプレッシャーをかけているだけに、ヒョッとするとヒョッとするかも!?
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.60-109.50円。ドル高・円安方向は、わずかに空いているとみられる上値ギャップ、そして移動平均の25日線も位置する109.30-35円の攻防にまずは注視。超えれば109.65円レベルが視界内に。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースで何度か直近下げ止まっている108.70-75円が最初のサポート。ただ108.65円レベル、108円半ばなど下方向のサポートは数多く、割り込んだとしても大崩れするイメージは乏しい。(了)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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