<< 東京市場の動き >>
週明け27日の東京市場は、終わってみればドルが小じっかり。109円割れで取引が始まるなど安寄りしたが、その後はやや買い戻しが優勢だった。
先週末から「新型肺炎」に関するニュースばかり。詳細は後述するが、ともかく中国が春節(旧正月)に入ったこともあってか、被害の拡大が指摘されるなか、週明けの為替市場が寄り付いている。
ドル/円は、週末の「新型肺炎の被害拡大」などを嫌気し、ドル安・円高でスタート。前週末のNYクローズが109.30円前後だったのに対し、108.90円レベルで取引開始となった。その後も、時間外で取引されているNYダウ先物が200ドル以上下落したことなどを嫌気しドルは続落。日中安値の108.70-75円を示現するも、その後はじりじりと値を戻す展開に。早朝に空けたギャップは埋めきれなかったが、109円台を回復すると、16時時点では109.05-10円で推移し、欧米時間を迎えていた。
材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」について。
新型肺炎患者は、日米のほかフランスやカナダ、豪州でも確認されるなど被害は国外でもさらに拡大の様相。また中国国内についても、人民日報が週末に「肺炎発症者が中国本土で2050人、うち死者は56人にのぼった」と報じ、その段階でも被害の急拡大を改めて懸念されていたが、本日東京時間に共同通信は中国当局による最新の公式発表として、「中国本土での発症者が2744人に増加、そのうち死者は80人、重症者は461人」と指摘していた。いずれにしても、発症者数そして死者ともに右肩上がりである。
なお、そうしたなか、中国では政府が要請し「27日から海外団体旅行が禁止」になるだけでなく、一部国営メディアが「旅行会社が航空券と宿泊をセットで手配する個人の海外旅行も停止」と報じるなど、国を挙げての封じ込め作戦が如実に。また、日米はそれぞれチャーター機を使用し、中国武漢から自国民の退避に動くことを明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
為替や株式といった金融市場にとどまらず、一般的にも新型肺炎に関する関心が高く、新聞やテレビのニュース、ワイドショーなどはそれに関する話ばかりだ。ちなみに、今回の新型肺炎と対比されることの多い2003年「SARS(重症急性呼吸器症候群)」のケースを振り返ると、事件表面化から鎮静化まで8-9ヵ月という時間を要していた。それからすると、今回の問題などはまだ端を発しただけに過ぎないのかもしれない。まだしばらくのあいだ、ドル/円などの上値を抑制する可能性もある。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」など注意すべき要因は目白押し。そうしたなか、目先市場で注視されている筆頭は「新型肺炎」で、次いで「ウクライナ疑惑」や「イラン情勢」だ。うち、「イラン情勢」については、相次ぐ「新型肺炎」関連報道に影に隠れてしまったが、本日東京時間に「イラクのグリーンゾーンにある米大使館敷地内にロケット弾3発が着弾」−−といった非常に気になる報道も観測されている。米政府の対応、発言などには要注意。
テクニカルに見た場合、先週末には維持していた109円レベルを本日東京の寄り付きでいきなり割り込むなど、ドルの下値余地がさらに拡大した感を否めない。それを受けた次のターゲットは、年初来安値107.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチの61.8%押しにあたる108.65円レベル、そして移動平均の200日線が位置する108円半ばなどとなりそうだ。
対するドルの抵抗は、本日早朝に空けたのち、いまだ埋め切れていない上方向のギャップ(109.10-30円程度)となる。
一方、材料的に見た場合、12月の新築住宅販売件数や1月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
もちろん前述の指標も要注意なのだが、米財務省による2年債そして5年債への入札を警戒する声も少なくない。「肺炎懸念による安全逃避などで、根強い米債への需要が示される」との指摘もあり、事実とすれば米金利の低下そしてドル安進行という構図をたどることもある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.60-109.60円。ドル高・円安方向は、いまだ埋め切れていない上方向のギャップ109.10-30円をめぐる攻防にまずは注視。超えれば109.65円レベルが次のターゲットか。
対するドル安・円高方向は、本日東京の108.70-75円が最初のサポート。ただ、割り込んでも108.65円レベル、108円半ばなど下方向のサポートは数多い。ドルは下落するにしても、そのスピードは緩やかなものにとどまりそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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