ドル円 目先は方向性を喪失、ドルは高保ち合いか(1/20夕)

週明け20日の東京市場は、ドルが底堅い。110円台前半、20ポイント足らずのレンジ取引だったが、株高の動きなどもありドルの下値はかなり堅い印象だ。

ドル円 目先は方向性を喪失、ドルは高保ち合いか(1/20夕)

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週明け20日の東京市場は、ドルが底堅い。110円台前半、20ポイント足らずのレンジ取引だったが、株高の動きなどもありドルの下値はかなり堅い印象だ。

先週末には、国務長官ら複数の米高官が「日韓に駐留米軍の負担増を要求」との発言や報道が観測されたほか、やや小康ムードもうかがえた米・イランの関係について、トランプ米大統領が「イラン最高指導者は発言に気をつけるべき」と釘を刺したことで、両国の関係性をめぐり一時ピリつくような局面も。

そうしたなか寄り付いた週明けのドル/円は、先週末より若干円高の110.05円前後で取引がはじまったが、結局110円は一度も割れずに底堅い。ただ上値も重く、110.20-25円では上値を抑えられ、上げ渋りの様相に。日米株価の動きを注視しつつも、新規材料難ということもあり、積極的な動意に欠けている。16時時点では110.15-20円で推移、欧米時間を迎えていた。

材料的に注視されていたものは、「米軍駐留費問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、米国のポンペオ国務長官とエスパー国防長官が連名で米紙WSJに「韓国に在韓米軍の負担増」を要求する寄稿文を掲載し物議を醸したほか、NHKはオータガス米国務省報道官が単独インタビューに応じ、日米同盟の意義を強調する一方で「日本国民の安全を守るために米国の納税者の負担が増えている」と述べ、米軍駐留経費の負担増を示唆したと指摘していた。今後さらに、日米や米韓などのやり取りが激しさを増す可能性もある。

対する後者は、米軍のハイテン統合参謀本部副議長が「北朝鮮は誰にも劣らぬ速さでミサイルを開発」などと危機感を募らすコメントを発するなか、「北朝鮮の金国連大使や池駐中国大使などが一斉に帰国」、「北朝鮮が対米外交を担ってきた李容浩外相を解任、対韓国窓口機関トップを務めていた軍出身の李善権氏が後任に指名された」−−といった報道がみられ思惑を呼ぶ。

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ドルは底堅いものの、一方で上値も重い状況となっている。実際、気がつくと109.75-110.30円という50ポイント強のレンジ取引が早くも5日目だ。ドルの高値圏で新たなレンジを形成している感も否めず、株価や金利の動きなどに注意しつつも、時間調整とも言える110円挟みでのドル高保ち合いがいましばらく続く可能性もある。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意すべき要因は依然として少なくない。

ただ、目先的には、どれといった要因に絞りにくいものの、敢えて言えば「トランプ米大統領の一挙手一投足」には要注意。21日から上院で弾劾についての実質審理が開始されるほか、21-24日にスイスのダボスで行われる、いわゆる「ダボス会議」に当のトランプ氏は出席する予定とされている。また、後者については当地でフォンデアライエン欧州委員長と会い、対立が深まっている通商問題を主題に議論する見通しだという。予断は許さないかもしれない。

テクニカルに見た場合、過去1週間程度は109.75-110.30円という50ポイント強のボックス相場。長いタームで見た場合のリスクはドル高方向だと考えるが、短期的には方向性を喪失している感がある。
まずは、足もとの50ポイントレンジを上下どちらに放れるのかが注視されており、上方向であればフィボナッチを参考にしたテクニカルポイントにあたる110円半ば、あるいは110.65-70円が意識されそうだ。逆に下方向ならば、移動平均の25日線が位置する109.35-40円を目指す展開か。

一方、材料的に見た場合、本日は「キング牧師の誕生日」で米株ならびに債券市場が休場となることで、目立った米経済指標の発表などは予定されていない。基本的には動きにくそうな雰囲気。ただ、先でも指摘したように明21日には注目材料が少なくないだけに、仮に本日動かなくても、それは「嵐の前の静けさ」であるのかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.70-110.40円。ドル高・円安方向は、先週からのレンジ上限にあたる110.30円の攻防をまずは注視。超えれば110円半ば、110.65-70円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週から数回下げ止まっている109.75-80円がなかなか強いサポートだが、さらに短期で見た場合には、110円レベルもサポートとして意識されているようだ。いずれにしても底堅いイメージ。

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