<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、横這い推移。マーケットはすっかりクリスマスモードに入った感があり、売買は手控えられている。
ドル/円は109.30-35円で寄り付いたものの、終日を通して動意が乏しい。109.25-40円といった10ポイント強の凪相場、ほぼ横這い商状だった。日経平均は3日続落、また時間外取引のNYダウ先物も小幅ながらマイナス圏での推移となったが、市場はとくに反応せず。結局16時現在では109.30円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、本日はポンドやNZドルなどの動意も全般的に乏しく、軒並み小動き。参加者もクリスマスムードに入っているとみられ、積極的な売買は手控えられている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、英中銀が「7対2で政策金利の据え置き」と発表、また同中銀の次期総裁に「英金融行動監視機構(FCA)長官を務めるベイリー氏が最有力候補に」などと報じられるなか、一旦は落ち着いていたEU離脱に関する不透明感が再燃しつつあるようだ。ジョンソン首相は20日に実施するEU離脱協定案の採決を前に「クリスマス前に採決を終わらせるという国民への約束を果たす」と強調したが、市場に安心感を与えるまでには至らなかった。
それに対して後者は、中国商務省報道官から「第1段階合意文書の署名めぐり米国と調整中」、米財務長官による「第1段階合意の内容に変更があるとは思わない。残る作業は翻訳など技術的な問題だけ」との発言が聞かれたものの、踏み込んだ新しい内容が示されなかったためか、大きな影響はみられず。また、一部市場筋によると、協議の先行きを楽観視する向きが多いものの、米財務長官が「第2段階の協議をスグに始めるよりも、『第1段階』をしっかりと履行することが大事」とコメントしたことが、若干後ろ向きと捉えられていた面もあったという。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日東京時間には109.73円のレンジ上限に接近する様相をうかがわせていたものの、欧米時間に一転。一時109.18円まで値を下げ、ホンのわずかながらレンジの下限を割り込んできた。「しっかり下回った」とは言えないが、今度はドルの下値リスクが高まってきたとも考えられる。先でも指摘したように、為替市場はすっかりクリスマスモードに入っており、流動性がかなり低くなっている状態だ。しばらくは「薄商い=荒っぽい変動」にも一応注意しておきたい。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意を要する案件は少なくない。いずれも気になるものの、目先的には「英国情勢」と「ウクライナ疑惑」をめぐる動きに要注意。また、本日というより週末を含め、世界的にクリスマスムードとなるなかの「北朝鮮情勢」や、来週初にかけての「日中韓首脳会談」などアジア情勢を警戒する声も聞かれていた。いずれにしてもストップロスを置くなど、ポジション管理はしっかりと行いたい。
テクニカルに見た場合、過去1週間程度形成しているレンジ上限を試すも失敗。すると今度は一転して下限割れをうかがう様相となり、わずかながら一時下回ってきた。「しっかり下回った」と言えないところが悩ましいが、ドルの続落にも要注意。
移動平均の25日線や200日線が位置する108.80-00円では取り敢えず下げ止まりそうだが、仮に下抜けると月間安値の108.43円がターゲットに。
本日は、7-9月期のGDP統計確報や12月のミシガン大学消費者信頼感指数確報、12月のカンザスシティ連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日は、景気先行指数や中古住宅販売件数といった発表された米経済指標が予想を下回り、それがドル売りに寄与した面もあっただけに、本日も同様の値動きをたどることへの警戒感も聞かれていた。そのほか、先でも取り上げた「英議会によるEU離脱協定案採決」にも要注意。場合によってはポンド主導の展開も考えられる。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.70-109.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の109.40円レベルをめぐる攻防にまずは注視。超えれば、直近高値や月間高値が位置する109.70円前後が再びターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日示現したドル安値の109.18円が最初のサポート。下方向のテクニカルポイントは数多く、依然として底堅いイメージだが、25日線や200日線を下回ると、たとえ一時的にせよ下げが加速する可能性もある。
ドル/円日足
*注:来週はクリスマス週ということで、23日・月曜日付けの「週報」はお休みさせていただきます。また、24日のクリスマスイヴ、25日クリスマスの「日報」もお休みさせていただきますので、ご了承ください。なお、それ以降は30日付の「週報」ならびに、30日、31日、1月2日、3日の「日報」はすべて通常通り発行しますのでよろしくお願いいたします。
オーダー/ポジション状況
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