クリスマス休暇へ突入。ドル円・ユーロドル共に狭いレンジ内で膠着か
今週のレビュー(12/16−12/20)
<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初109.39で寄り付いた後、先週末金曜日に、@米中協議が第1段階合意に達したこと(=米中リスク後退)や、A英総選挙で与党保守党が圧勝したこと(=英合意なき離脱リスクの後退)、B上記@Aを背景にグローバルにリスク選好ムードが広がったこと、C米・12月NAHB住宅市場指数(結果76、予想70)が1999年6月以来の高水準を記録したこと等が支援材料となり、週明け海外時間に、高値109.69まで上昇しました。
しかし、先週末金曜日に記録した直近高値109.71や、12/2に記録した高値109.73を前に伸び悩むと、Dトランプ米大統領によるドル高牽制ツイートや、E格付け会社フィッチによる「第1段階合意が米中貿易摩擦を緩和させつつも、解消されたわけではなく、再燃リスクは残っている」との指摘、F109.70近辺の抵抗帯(レジスタンス)の強さを嫌気した見切り売り、Gクリスマス休暇を前にしたポジション調整、H日銀金融政策決定会合での追加緩和見送り、I米・12月フィラデルフィア連銀製造業指数(結果0.3、予想8.0)や、米・新規失業保険申請件数(結果23.4万件、予想22.5万件)、米・11月中古住宅販売件数(結果535万件、予想544万件)、米・11月景気先行指数(結果0.0%、予想0.1%)の冴えない結果が重石となり、週後半にかけては、約1週間ぶり安値となる109.18まで反落しました。
引けにかけては、トランプ米大統領による「中国の習近平国家主席と良い協議ができた」とのツイートや、良好な米経済指標(米・11月個人所得や、米・12月ミシガン大消費者信頼感指数)を受けて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では109.47近辺で推移しております。
<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、米長期金利の低下を受けたドル売りや、デギンドスECB副総裁による「最近の経済指標は経済活動の安定化を示唆」との発言(タカ派寄り)、オーストリア中銀ホルツマン総裁による「2020年に景気が底打ちすれば金利が動くこともあり得よう」との発言(タカ派寄り)が支援材料となる中、翌12/7に、週間高値1.1176まで上昇しました。しかし、先週末金曜日(英総選挙の与党保守党圧勝後)に記録した高値1.1201をバックに戻り売りが強まると、英ポンドの急落(ユーロは対ドル・対円共に連れ安)や、米長期金利の上昇、ユーロ圏・12月消費者信頼感指数(結果▲8.1、予想▲7.0)の冴えない結果(2017年2月以来で最低)が重石となり、週末にかけては、約2週間ぶり安値1.1066まで下げ幅を広げました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では1.1077近辺で推移しております。
来週の見通し(12/23−12/27)
<ドル円相場>
ドル円は結局、109.70近辺に控える強力なレジスタンスを突破することが出来ず、週後半にかけて反落しました(上値の重さを嫌気した見切り売りと、クリスマス休暇を前にしたポジション調整が重なった格好)。但し、109円前後に並ぶサポート水準(一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンド、200日移動平均線)は一度も割り込んでおらず、「下値の堅さ」も確認されます。同水準を維持することが出来れば、ドル円が再び持ち直す(109.70近辺の上値を再トライする)展開も視野に入ります。
ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、Bトランプ米大統領によるFRBへの利下げ圧力、C世界的な貿易戦争再開リスク(含む米中貿易摩擦の再燃)、D英国を巡る不確実性など、ドル売り・円買いを想起させる悪材料が増えつつあります。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的に「底堅さ」を見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」展開が続いております。但し、来週はクリスマス休暇で市場参加者の減少が見込まれることから、週を通して方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。通貨オプションでもインプライドボラティリティが過去最低水準に低下するなど、膠着相場を織り込んでいる状態です。米経済指標(耐久財受注や、新築住宅販売件数、リッチモンド連銀製造業指数など)や、トランプ米大統領弾劾を巡るヘッドライン、米中及び英国を巡る続報を睨みながらも、来週は狭いレンジ内での横ばい推移をメインシナリオとして予想いたします。
ドル円の予想レンジ:108.75ー110.00
<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週末にかけて、大きく値を崩す展開となりました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的に見て「下落リスク」が警戒されます。一目均衡表雲上限は辛うじて死守されたものの、戻りは鈍く、リスクは依然「下向き」と判断できます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@欧米対立リスクの高まり(米中貿易摩擦が欧米貿易摩擦に波及するリスク)や、Aユーロ圏経済及び物価の先行き不透明感、Bイタリアの財政悪化懸念、CECBによる追加緩和観測、D英国情勢の先行き不安など、ユーロ売りを意識させる材料は根強く残っています。
以上の通り、ユーロドル相場はテクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。但し、来週はクリスマス休暇で市場参加者の減少が見込まれることから、狭いレンジ内で膠着する可能性が高いと判断できます。休暇明け(12/27以降)のダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。
ユーロドルの予想レンジ:1.1025−1.1175
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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