<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、横這い推移。108円半ばから後半、20ポイント足らずのレンジ取引に終始している。
ドル/円は108.55-60円で寄り付いたものの、終日を通してほぼ動意らしい動意はなかった。108.55-70円という20ポイントにも満たない凪相場をたどっている。日米株価はともに強含みに推移したものの、その影響は軽微。本日は、23日午前0時に失効される日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に注目しつつ、売買はほぼ手控えられていた。16時時点では108.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「韓国GSOMIA破棄」について。
前者は、米中通商協議について、「中国がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官を招待、米国に新たな対面通商協議を提案」などと報じられたうえ、「米政府は部分合意がなくとも12月15日予定の関税発動を延期」との報道も観測されおり、市場はやや楽観論が優勢に。また、それとは別にポリティコが「巨額な貿易赤字を抱えるEUに対し、トランプ大統領が制裁関税を正当化する新たな貿易調査を検討している」と報じ、米欧間の貿易問題も改めて話題になっていた。
それに対して後者は、23日午前0時に失効を控えた状況下、聯合ニュースが「韓国大統領府はGSOMIAの破棄が避けられないとの立場をまとめたようだ」と報道し、市場では失望も。その一方、米上院は「日韓協力促す決議を可決」するなど、最後まで失効回避に向けたプレッシャーを掛け続けていたようだ。なお、そうしたなか梶山経産相は「対韓輸出規制の見直す考えはない」と発言、GSOMIA破棄については、飽くまで韓国次第とのスタンスを堅持させている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は依然として108円台を中心としたレンジ取引をたどっているが、調べてみると今週の形成レンジは108.28-109.07円だった。つまり、一週間でわずか80ポイントしか動いていないことになる。仮に、今週がこのまま終われば、10月21-25日週に次ぐ小幅な値動きの一週間だったということになりそうだ。ともかく、足もとは方向性が喪失していることは否めず、まずは前述80ポイントレンジからの脱却の有無を注視したい。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、そして「GSOMIA破棄をめぐる韓国情勢」など気になる要因が目白押しとなっている。そうしたなか、目先とくに注視されているのは香港や台湾情勢を含めた「米中情勢」と「韓国情勢」。うち後者については、仮にGSOMIAの破棄が決定されれば、この週末にも北朝鮮が再び飛翔体発との名のミサイルを発射し「日米韓に揺さぶりをかけ、反応を確認する」−−などといった指摘も一部参加者のあいだで聞かれていた。ヒョッとすると、月曜日の早朝は荒れ模様でスタートも!?
テクニカルに見た場合、今週ここまで108.28-109.07円の80銭レンジにとどまっているだけでなく、今月以降と捉えても107.89-109.49円の1.6円レンジに過ぎない。
ちなみに、まだ時間的な猶予は幾分あるが、今11月がこのままの状況で終了すれば、「月間変動幅1円台」は今年実に3回目。4月(1.61円)に並ぶ今年の最小月間変動幅となる。そんな小動きはいつまで続くのだろうか。
一方、本日は11月のミシガン大学消費者信頼感指数や同カンザスシティ連銀製造業活動指数といった幾つかの米経済指標の発表が予定されている。昨日発表された米指標は11月のフィラデルフィア連銀景況指数が予想を上回った反面、10月の中古住宅販売件数は逆に予想より悪化するなど好悪マチマチ。本日の指標内容にも要注意だ。
また、前段までに再三再四指摘してきた23日午前0時の「韓国GSOMIA破棄」に向けた動きも注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-108.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値も近い20日高値の108.74円が最初の抵抗。超えれば19日高値の108.84円、そして109.07円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した今週安値である108.28円の攻防にまずは注視。そのレベルは直近安値の108.24円にも近い。割り込めば、心理サポートの108円レベルが意識されそうだ。
ドル/時間足
オーダー/ポジション状況
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