再び108円台に回帰、レンジ取引継続も
<< 東京市場の動き >>
週明け4日の東京市場は、凪相場。108円台前半、わずか10ポイント強という横這い推移で動意らしい動意はほぼうかがえなかった。
前週末に、FOXビジネス・ネットワークがナバロ米大統領補佐官の発言として、「中国の構造的な問題に対応するために、通商合意は第3段階まで必要になる」と報じたほか、クドロー米NEC委員長から「FRB議長の解任話はまったくない」との発言が聞かれるなか、週明けの為替市場がオープンした。
ドル/円は108.20円前後と、先週末のNYクローズと大差ないレベルで寄り付いたものの、新規材料に欠けたうえ、東京休場もあり積極的な売買は手控えられている。「薄商い=小動き」の様相だった。これはドル/円に限ったものではなく、ユーロ/円やポンド/円なども総じて小動き。円絡みの主要通貨ペアではもっとも動いたNZドル/円でも40ポイント強の変動にとどまっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、12月12日実施が決まった英総選挙について、ジョンソン首相(与党・保守党党首)など与野党党首が19日にテレビ討論を実施することが明らかになった。そうしたなか、英ブレグジット党党首はジョンソン氏に向け選挙協力を求める秋波を送るも、ジョンソン氏が拒否。これにより、首相率いる与党・保守党は、ブレグジット党と支持者の奪い合いを演じることが濃厚に。
対して後者は、中国商務省が先週末に実施した米中貿易交渉について、「原則合意に達した」と声明で発表。またトランプ米大統領はチリでのAPECは開催中止となったものの、月内署名をまだ諦めていない旨を改めて発言している。ちなみに、ポジショントークと思われるが、トランプ氏から米中会談の代替場所として、「アイオワ州を考えている。なぜなら農家にとって過去最大の受注になるからだ」などとする発言も観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週は、それまで過去半月ほど形成していたレンジの上下どちらも一時ブレークしたが、最終的にはレンジ内に回帰。足もと、東京休場となった週明けのアジア市場も108円台での推移となっている。依然として方向性はハッキリしない状況だ。ともかく、目先は108円台を中心としたレンジを如何にして「しっかり」と抜けていくのか、その方向性が注視されていることに間違いはない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」−−など注目要因は多い。それぞれ注意すべきところは多いが、目先となると「米中情勢」と「英国情勢」の2つになるかもしれない。前者については、「合意期待」という楽観論は依然として根強いものの、土壇場でちゃぶ台返しもあったこれまでの経緯から強気になり切れない面が残るうえ、前述したナバロ補佐官の発言のように、仮に第1段階での合意となっても、第2、第3の合意が不可欠であることもドルの足かせになっている感がある。いずれにしても、発言などに一喜一憂せず、引き続き情勢をしっかりと見極めたい。
テクニカルに見た場合、先週一時的に108円台の呪縛から解き放れたものの、結局回帰。週明けのアジア時間も108円台での推移となった。移動平均で見た場合、上値は109円の少し上に位置する移動平均の200日線が抵抗で、その攻防が注視されている反面、下値は108.15円前後に位置する移動平均の25日線がサポートか。まずは、200日線or25日線のどちらをザラ場だけでなくNYクローズでもしっかり抜けてくるのか、方向性に注目だ。
一方、材料的に見た場合、9月の製造業受注指数や同耐久財受注といった米経済指標が発表される予定となっている。先週末に発表された米雇用統計は予想以上の好数字でポジティブサプライズ。そののち、米紙WSJが「米雇用統計がFRB利下げ休止を正当化」と報じたほどだが、そんな米雇用統計に続く好数字となるのかどうか、引き続き発表される米指標に注目だ。また、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁による米経済についての講演にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.90-108.70円。ドル高・円安方向は、先週末高値の108.32円が最初の抵抗。抜ければ108.60円レベル、そして109円を少し超え位置にある200日線などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の107.89円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば、移動平均の75日あるいは90日線が位置する107円半ばが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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