ドル円、米中を巡る楽観的な見方を背景に堅調な推移
海外時間の為替概況
4日(月)の外国為替市場でドル円は上昇。@トランプ米大統領やロス米商務長官が中国との月内の「第1段階」の貿易合意に楽観的な見方を示したことや、Aオブライエン米大統領補佐官が「合意に比較的近い」と発言した事、B上記@Aを受けて、「米長期金利上昇→ドル高」の流れと、「米主要株価指数上昇→リスク選好の円売り」の流れが重なったこと等が支援材料となり、ドル円は米国時間午後にかけて108.64まで上昇しました。尚、米・9月製造業受注(結果▲0.6%、予想▲0.5%)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となっております。
ユーロドル相場は上昇後に急反落。欧州時間序盤にかけて一時1.1176まで上昇するも、@米中協議を巡る楽観的な見方や、A米長期金利の上昇を受けた「ドル買い」が重石となると、米国時間午後にかけて急反落。一時1.1127まで下げ幅を広げました。対主要通貨で「ドル買い」が強まる1日となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、FOMC(米連邦公開市場委員会)後に一時109.30(約3ヶ月ぶり高値)まで上昇するも、8/1高値109.33まで後一歩届かず失速すると、その後「長い上髭」を残す形で反落に転じました(11/1には約3週間ぶり安値107.89を記録)。しかし、一目均衡表基準線107.89に下支えされると、昨日はひとまず反発に転じる動きとなりました。現在はチャートポイントとして意識される一目均衡表転換線108.60を試している状況です。同水準をクリア(終値ベース)に突破することが出来れば、本日アジア時間帯の続伸の可能性も出てきそうです。
しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策格差(利下げに踏み切ったFOMCと、追加緩和の見送りを決めた日銀)や、A米中を巡る先行き不透明感、Bトランプ米大統領・弾劾リスク、C米国ファンダメンタルズの悪化など、ドル円の「下押し」に繋がりやすい材料が今尚多く残っています。特に上記@については、冴えない米国ファンダメンタルズを背景に、催促相場(FRBに意向に反して市場が追加利下げを織り込む相場展開)に進展する恐れがあることから、リスクは引き続き「ダウンサイド」と予想されます。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にやや持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが上値を阻む展開が予想されます。本日発表される中国の10月財新サービス業PMIや、米・10月総合PMI、米・10月ISM非製造業景況指数が冴えない結果となれば、米長期金利低下→ドル売りの流れが強まる恐れもあります。ドル円の上値余地は乏しいと見られ、本日は「ドル円」の反落をメインシナリオとして予想いたします。(本日の予想レンジ:108.20ー108.90)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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