米雇用統計を注視、ドル円のドル安進むか下値正念場(10/4夕)

4日の東京市場は、おおむね揉み合い。106円後半、20ポイント程度のレンジ取引で、方向性も乏しかった。

米雇用統計を注視、ドル円のドル安進むか下値正念場(10/4夕)

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4日の東京市場は、おおむね揉み合い。106円後半、20ポイント程度のレンジ取引で、方向性も乏しかった。

ドル/円相場は106.90円前後で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意に欠ける。日米株価の動きなどをにらみつつも、NY時間に注目材料である米雇用統計の発表を控えていることもあってか、積極的な売買は手控えられた。結局、106.75-95円といった20ポイント程度のレンジ取引に終始、16時時点では106.80円挟みで推移しつつ、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米貿易問題」について。
前者は、2日に発射された北朝鮮ミサイルについて、どこから発射されたものであるのかが話題に。韓国軍などは当初「潜水艦」と指摘していたが、米統合参謀本部報道官は「潜水艦から発射された兆候はなく、海洋に設けられた艀(はしけ)など発射施設から発射された」と発言していた。そうしたなか、4日の米朝実務者協議に向けて北の主席代表が会談場所とみられるストックホルムに到着しただけでなく、途中、一部記者団に「首脳会談には非常に楽観的」と述べたという。
それに対して後者は、今週中国が「国慶節」により休場なることで、米中についてやや停滞感が漂うなか、トランプ大統領は「中国側の交渉団が来週やって来る。協議は順調に進んでいる」と指摘したうえで、「中国が要望に応じないのであれば、我々には多大な力ある」と強くけん制をしていたようだ。また、それとは別に米欧間の貿易問題が新たにクローズアップされてきた感も否めず、新たな波乱要因に。ちなみに、トランプ氏は世界貿易機関が対EU報復関税を承認したことについて「素晴らしい勝利」と称賛していた。

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昨日の東京段階では、9月24日安値に面合わせをした106.95円レベルでドルは下げ止まった感が見受けられたものの、そののち同レベルを「しっかり」と割り込んできた。一時106.48円まで下落している。ドルの下値リスクが強まった感があり、このあと発表される9月米雇用統計などの内容如何では、さらなるドル安の進行もありそうだ。もちろん数字如何だが、106円割れトライといった様相を呈する可能性もある。

材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などが挙げられているほか「トランプ氏のウクライナ疑惑」に対する関心も高い。それぞれが要注意なのだが、敢えてひとつだけ取り上げるとすれば、米経済指標の発表や要人発言を踏まえた「米金融政策」に注意を払いたい。今週発表される米経済指標は悪い数字が目立っており、本日の雇用統計についても、予想値より悪化しても不思議はないといった見方も聞かれるなど、ある程度は織り込み済みか。とは言え、それも数字次第で、市場は良い数字よりも悪い数字に反応しやすい状況だけに、敢えて悪い数字を探すアラ探しの様相から、やはりドル売りで反応するとの指摘も少なくないようだ。

テクニカルに見た場合、短期のサポートと目されていた106.95円レベルを割り込み、ドルは一時106.48円までドル安が進行している。リスクはドル安方向ながら、昨日下げ止まった水準は、8月安値104.44円を起点とした上げ幅の半値押しにあたるテクニカルポイント。ちょうど良いレベルで下げ止まったと言えるかもしれない。
ちなみに、106円半ばを割り込めば、次のターゲットは同61.8%押しにあたる106円前後。逆にドルが反発した場合には、移動平均の25日線が位置する107円半ばが意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、8月の貿易収支や9月の雇用統計といった米経済指標が発表される予定となっている。うち、雇用統計については、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数の予想値としてプラス14.5万人が見込まれており、前月(プラス13万人)よりも改善する見通しだ。ただ、先でも指摘したように、今週発表される米経済指標は悪い数字が多いことから、「前月並みにとどまる」などと、やや悲観的な予想をする向きも決して少なくない。
また、ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演をはじめ、米通貨当局者による発言機会が多いうえ、スウェーデンで実施されるとみられる「日朝首脳会談の実務者協議」などの行方も気掛かり。場合によっては、それらが波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.10-107.30円。ドル高・円安方向は、目先安値106.48円を示現後、一度も回復していない107円レベルが最初の抵抗。超えれば、107円半ばに位置する移動平均の25日線などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録した安値106.48円の攻防にまずは注視。ちなみに、このレベルはフィボナッチの観点でも重要なサポートとなる。下回ると、同じフィボナッチの次のサポートとなる106円前後が意識されそうだ。

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