<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、ドルが小じっかり。一時107円を下回る局面も観測されたが滞空時間は短く、むしろドルの底堅さが目に付いた。
ドル/円相場は107円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。106.95-107.20円といったレンジ取引をたどるも、上抜けすると、そのまま日中高値107.40-45円まで値を上げている。日経平均株価は弱含み、マイナス圏で推移したものの、時間外で取引されていたNYダウ先物が小幅高となったことなどが好感されていたという。16時時点では日中高値圏である107.30-35円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、NZドルが対円やドルで一時急伸。対円では67円半ばから68円台まで一気に値を上げあてきた。注目のNZ中銀による政策発表は「金利据え置き」だったが、声明内容への反応や一旦の材料出尽くしなどが後押ししていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「英情勢」と「日米貿易協議」について。
前者については、「英最高裁がジョンソン首相による議会閉会は違法」との司法判決を下したことが相場の波乱要因に。また判決と絡め、英主要野党は「ジョンソン首相の辞任を要求」したほか、下院議長は早速「25日に議会を再開」する旨を明らかにしている。対してジョンソン氏は、最高裁判決に不満を示しながらも、「判断を尊重する」と結果を受け入れる考えを示していた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日はロンドン時間の早朝に示現した107.80円を目先高値に、そののち107円割れ。トータルで1円近くとなかなかの変動をたどっていた。前日には割り込んだか否か微妙だった107.40円のテクニカルサポートをNYクローズでも下回っており、ドルは続落が期待されたものの、本日東京は逆に小じっかり。リスクという点では再び下方向の動意が懸念されるが、一筋縄ではいかないようだ。ドル安が進展するにしても、飽くまでじり安。少しずつ下値を切り下げるような展開を見込む向きは少なくない。
材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が目白押しの状況のなか、新たに「トランプ氏への新疑惑」が取り沙汰されている。さらには、単なる疑惑にとどまらず、ペロシ米下院議長が「正式な大統領弾劾尋問を開始する」と発表、ドル高の足かせ要因となっている感も否めない。本日は、正式合意が見込まれている「日米貿易協定」の行方が要注意だが、それ以外でも前述した「トランプ氏への新疑惑」や、最高裁判決を受けて議会の再開が決定した「英国情勢」なども気掛かりだ。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の先行帯の雲の上限や移動平均の25日線など、107円前半には重要なテクニカルポイントが位置しており、それらを昨日一時的に下回ったもの、いわゆる「しっかり」割り込むには至っていない。引き続き、ドル安方向に存在する各種サポートをめぐる攻防に注意を払いたい。
対する抵抗は、107.70円台に位置する一目均衡表の転換線か。抜ければ108円レベルがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、8月の新築住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債の入札が実施される見込みだ。昨日は7月のS&Pケースシラー住宅価格指数が予想を下回ったうえ、9月の消費者信頼感指数、そして同リッチモンド連銀製造業指数も予想より悪化するというネガティブサプライズとなった。それだけに、目先は米経済指標に対する警戒感は強く、本日も予断は許さない。
そのほか、米通貨当局者による発言機会が本日も多く、発せられるコメントも注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である107.40-45円の攻防にまずは注視。超えれば一目均衡表の転換線も近い昨日高値107.80円、そして108円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値106.96円が最初のサポート。ちなみに同レベルは、直近安値104.44円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しにほぼ合致、また半値押しは106.45円レベルとなっている。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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