米中情勢注視しつつも、ドル円はレンジ取引続く公算(8/29夕)

29日の東京市場は、106円挟みで一進一退。値動きも30ポイント程度にとどまるなど、明確な方向性は乏しかった。

米中情勢注視しつつも、ドル円はレンジ取引続く公算(8/29夕)

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、106円挟みで一進一退。値動きも30ポイント程度にとどまるなど、明確な方向性は乏しかった。

ドル円相場は106.00-05円で寄り付いたものの、ドルの上値は重い。日経平均株価が前日比21円高とわずかながらプラス圏で取引を開始したのち、マイナス圏に転じたことなどが嫌気されていた。しかし、その株価が持ちこたえたこともあり、為替市場におけるドル売り・円買いも限定的に。安値は105.80-85円までで、16時時点では105.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、値幅そのものはそれほど大きくなかったが、NZドル/ドルは前日更新した4年ぶり安値を再び塗り替えた。2015年9月安値の0.6235ドルレベルも、現実的な下値メドとして意識され始めているようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、トランプ米大統領をはじめ相次いだ「米要人発言」について。
米中問題に関し、トランプ氏から「中国と取引してヒーローになることは可能」との発言が聞かれた反面、ナバロ米大統領補佐官は「米中協議で何か急に起きることはないだろう」と指摘していたという。また、米財務長官による「米国はドルに関して介入の意向なし」、「超長期債の発行を真剣に検討」とのコメントが聞かれており、それぞれ話題に。さらに、リッチモンド連銀総裁による「FRBの利下げは小規模の保険的な意味合い」、サンフランシスコ連銀総裁「米経済は成長しているが不確実性が高い」、米国防次官補「韓国による軍事協定破棄、事前通告はなかった」−−などといった発言も折につけ思惑を呼んでいた。

そのほか単発モノとしては、軍事協定破棄にともなう日韓関係の悪化にとどまらず、米韓関係の悪化懸念も取り沙汰始めた感がある。たとえば、韓国次官が駐韓米大使と会談し、「失望表明の自制を要求した」ことが憶測を広げていた。また別途、ブルームバーグが報じた「米カジュアル衣料のフォーエバー21が破産法の適用申請を準備」も一部で話題に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルは、昨日NY時間に106.20-25円まで上昇。予想以上に戻ったイメージだったが、それでも週明け26日欧米時間以降のレンジである105.59-106.40円にはとどまった。つまり、明確な方向性は依然として乏しい状況にある。引き続き、前述した1円未満のレンジをめぐる攻防がまずは要注意だが、抜けても104.44-106.74円という、ややワイドなレンジを抜けることは難しいとの見方も少なくない。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など引き継ぎされている懸案事項が多いなか、先で取り上げた「米韓関係」も新たに注視すべき要因となってきた。ただ、やはりもっとも関心の高いものは貿易問題を主とし、それに香港や南シナ海などの問題も含めた「米中関係」について。そうした材料面を考慮すると、リスク回避志向、為替市場における円買い傾向の続く可能性を否定できない。

テクニカルに見た場合、目先は106円挟みのレンジ取引。実際、短期的には105.59-106.40円という1円未満の動きにとどまっている。その短期レンジブレークの方向性にまずは注視。
本稿執筆時に推移している105.90円レベルはちょうど真ん中で、上下どちらに振れても不思議はない。下放れれば、再び105円割れが現実味を増す反面、上抜けた場合には直近高値106.74円がターゲットに。

一方、材料的に見た場合、4-6月期GDP統計改定値や7月の中古住宅販売成約指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債の入札が実施される予定となっている。9月FOMCを控え、FRBの金融政策についての関心が高いだけに、とくに前者である米経済指標の内容には注意を払いたい。
また、いわゆる米国ファクターにばかり目が行きがちだが、英国を中心に欧州にも気になる要因は少なくない。そちらに関するニュースなどにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.60-106.50円。ドル高・円安方向は、昨日高値の106.20-25円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ106.40円、106.74円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、27日以降ドルの下値を支えている105.60円前後が最初のサポート。下回ると105.15-25円や105円ちょうどなどが意識されそう。ただ、目先104円台はやや遠いイメージか。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円2時間足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る