<< 東京市場の動き >>
週明け8日の東京市場は、おおむね揉み合い。トータル30ポイント強のレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。
先週末には、「IAEA、イラン核合意で10日に緊急理事会開催」などイラン情勢をめぐる幾つかのニュースが取り沙汰されたうえ、貿易ではなく南シナ海でのミサイル発射をバックにした米中対立が指摘されるなか、週明けの為替市場が寄り付いた。
ただ、それら要因の影響は結果として限定的。ドル円は先週末のNYクローズと大差ない108.35-40円で寄り付いたのち、108円前半を中心とした30ポイント程で一進一退、レンジ取引に終始している。16時時点では、寄り付きレベルに近い108.30-35円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、為替市場は全般的に動意が乏しいなか、トルコリラが大幅安。対円では先週末のNYクローズ19円台前半から、ギャップダウンし18.60円台でスタート、その後も冴えなかった。週末に「トルコ政府が理由を明らかにしないまま、中銀総裁を解任した」との報道が嫌気されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」について。
先週末金曜日に発表された米雇用統計は予想以上の好数字、ポジティブサプライズとなったが、週末は好数字の米指標に改めてクギを刺すような各所からの発言が目についた。幾つか例を挙げると、トランプ米大統領「金融当局が政策金利を引き下げれば、米経済の成長加速の助けになる」、米NEC委員長「直近の雇用統計は堅調だったものの、金融当局は政策金利を引き下げるべき」、CNBC「シェルトンFRB理事候補が、『金融当局者は金融市場を支えている支援を打ち切るべきではない』との考えを示した」−−などとなる。こうした発言がさらなるドルの買い戻しに歯止めをかけていた。
そのほか単発モノとして、英紙「駐米英大使、トランプ大統領は『無能』と酷評」、「香港繁華街で23万人参加の大規模デモ、当局が強制排除も」、「ギリシャ総選挙、中道右派が単独過半数獲得の見通し」、「イランがウラン濃縮度引き上げ、核合意上限超過へ」、黒田日銀総裁「20年春ごろまで現在の極めて低い金利を維持」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末に一時108.64円まで上昇するなど、それだけをみれば上値展望が広がったように思われるが、その後の動きを見るとドルは伸び悩み。6月高値の108.80円、あるいは109円をしっかり超えていくには、もう少し時間が必要かもしれない。ただ、一方でドルには底堅さも窺えることから、大崩れする展開も見込みにくく、結果107-108円台の一進一退ということになりそうだ。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など継続案件は依然として多い。そうしたなか、先週末の良好な米雇用統計を受けて台頭した「7月の米利下げ後退観測」だったが、前述したようにトランプ氏をはじめとする横槍が多く、状況は不透明だ。実際、米紙WSJでは「力強い米雇用統計、利下げ見送りの根拠にはならず」としたうえで、「(良好な米雇用統計は)米経済が予想以上に鈍化しかねないというFRB当局者の懸念を和らげる見込みだが、今月のFOMCでは依然として利下げが実施される可能性が残されている」と結論付けていた。なお、今後の情勢を見極める意味も含め、今週だけで多数予定されているFRB議長の議会証言をはじめとした各種発言には注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、先週末の動きを見る限り、リスクという点ではドル高にバイアス。ただ、先週末高値の108.64円、6月高値108.80円、フィボナッチポイントの108.95円など、109円手前にも抵抗は少なくない。それに対するドルの最初のサポートは、これまでの下向きから横ばいに変わった移動平均の25日線(108.05-10円)か。また、その少し下には一目均衡表の転換線や基準線が位置しており、そちらもサポートとして機能しそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の消費者信用残高という米経済指標が発表されるものの、正直注目度はそれほど高くない。よほどの数字とならないかぎり、基本的にはノーインパクトか。
本日は、それ以外でも材料が乏しく、やや動きにくそうな雰囲気。明日以降に材料が集中していることもあり、基本はそれらにらみとなるのかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.90-108.70円。ドル高・円安方向は、先週末に記録したドル高値の108.64円が最初の抵抗。抜ければ108.80円、108.95円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、25日線が位置する108.05-10円の攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも107円後半などにサポートは多く、依然として底堅いイメージ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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