<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、ドルが小高い。調整とみられるドル買い戻しから、一時107円半ばまで上昇する局面も観測されていた。
ドル円は寄り付いた107.10-15円を日中安値に、緩やかな右肩上がり。前日3ケタ台のマイナスで大引けたNYダウが、時間外の先物取引で底堅い値動きをたどったことなどを材料に、107円半ばまでじり高推移となった。そののち、やや値を崩すと、16時時点では107.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」に関するニュースなど。
中国商務省は「劉副首相と米国のライトハイザー通商代表、ムニューシン財務長官が電話で貿易交渉をめぐり協議した」と発表、協議進展を期待させたものの、反面で「米国は中国からのいかなる関税条件も受け入れない」、環球時報社説「米国務長官を討伐すべき」−−といった報道も観測され、元の木阿弥の感も。そうしたなか、ブルームバーグは「米国、3000億ドルの対中関税発動を遅らせる可能性」と指摘、物議を醸していた。
そのほか単発モノとして、「英与党、次期首相を7月23日に発表へ」、セントルイス連銀総裁「50BPの利下げを行うべきではない」、同「政府からFRB理事ポストの打診あり」、米国務省「日米安保条約破棄報道にはまったく根拠がない」、ロイター「米高官、トランプ氏は『ドル高・ユーロ安過ぎる』との考え」、「政府、『参院選は7月21日投開票』と閣議決定」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
6月高値108.80円を起点に考えて2週間で2円下落し、流れはようやく一服したようだ。本日の東京時間は、むしろドルが調整的に買い進まれる展開で、一時107円半ばまで小戻している。これを前述した6月高値からのフィボナッチで見た場合、38.2%戻しは107.55円レベルとなり、本日の戻り高値に近い。抜けるか否かの攻防がまずは注視されそうで、越えていけば半値戻しの107.80円レベル、61.8%戻し108.00-05円などがターゲットに。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など継続案件は依然として多いが、喫緊の課題となると「イラク情勢」と「米貿易問題」か。前者については米国とイランの対立構造がますます強まっている感もあり、実際、昨日は国営テレビを通じた演説でイランのロウハニ大統領が、米国による制裁に関し、「ホワイトハウスには『大人げない』がある」と述べたという。よもやの軍事衝突はないと思われるものの、それも含め引き続き情勢には要注意だ。対して後者は、ここ最近、週末G20をにらんだ事前の電話協議などが相次いでいる。水面下の動きにも警戒をしておきたい。
テクニカルに見た場合、引き続き大きな視点に立ったリスクはドル安・円高方向にバイアスがかかるものの、短期的には昨日の106.78円で底を打ったようだ。それを受けてやや戻り歩調がうかがえ、しばらくのあいだドルは底堅く推移する可能性がある。
フィボナッチを参考にしたドルの抵抗は、前述したとおり107.55円や107.80円、108.00-05円などで、それら一目均衡表などを加味すると108円台回復までの道のりは案外近くて遠い気もしている。
一方、材料的に見た場合、5月の卸売在庫速報や同耐久財受注速報など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債の入札などが実施される見込み。それ以外では目立った要因は見当たらないが、水面下などで実施される貿易協議の行方などには一応要注意。
なお、それとは別に欧州ファクターのひとつとして、「英中銀のカーニー総裁、カンリフ副総裁らの議会証言」を警戒する声も少なくないようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.00-107.90円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値を含め、今週のドルの抵抗となっている107円半ばが最初の抵抗。越えられれば107.75-80円、108.00-05円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107.10-20円に弱いサポートあり。まずは同レベルの攻防が注視され、割り込めば直近安値106.78円が再び意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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