NZ中銀の金融政策結果(6月26日開催分)
本日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレートを現行の1.50%で据え置きを決定しました。エコノミスト予想通りの内容です。
以下はNZ中銀金融政策議事要旨です。
オフィシャルキャッシュレート(OCR)は1.5%のままである。より弱くなった世界経済見通しや国内成長を抑制するリスクがあり、より低いOCRが我々の目標達成のために必要とされるかもしれない。
国内成長は過去1年で鈍化した。2019年3月末期で建設活動は強かったが、サービス部門は鈍化を続けている。下がった住宅価格や景況感の低迷が国内消費を削いでいる。
世界経済見通しは弱くなり、貿易活動に関連した下方リスクがある。幾つかの中銀は需要を支えるために緩和を実施している。弱い世界経済は貿易、金融を通じてNZにも影響を与えている。
我々は低金利と政府支出が経済成長や雇用を支えていくと予想している。インフレ目標の中央値である2%に近付くと予想しており、雇用は持続可能な最大水準にいる。
雇用やインフレ見通しに関しての下方リスクがあり、より低いOCRが必要かもしれない。
(会合記録の要旨)
金融政策委員会は、2019年5月の声明内での予想より経済見通しが弱くなった。委員会はインフレが依然目標値中央より下にあり、雇用は幅広く伸び、持続できる最大限に近い水準にある。委員会はより低いOCRが目標達成に必要となるかもしれないことで合意した。これは、NZとの貿易相手国の経済の一段の悪化や国内成長の鈍化によるものである。
(一部略)
委員会のメンバーは特に、企業投資に関しては不確実性により削がれる影響に留意した。幾人かのメンバーはより低い商品価格や輸入インフレを弱くするNZドルの上昇圧力についても留意した。
世界経済の成長は悪化しているが、委員会は国内GDPの伸びが2019年3月期見通しよりは良くなると確認した。
委員会は国内成長に大きな影響を与える2つの相反する内容を確認した。それは、より緩やかな住宅価格と追加財政刺激策である。
委員会は民間部門の低下する名目賃金の伸びや、それによる労働市場での稼働率圧力を示す経済指標とが明らかに分断されていることについて議論した。この相関性が再構築されるかについての可能性を議論した。賃金(の上昇)圧力が継続的にないことが労働市場の稼働代替を起こしていることを示している。幾人かのメンバーは減少している移民流入が幾つかの部門で賃金インフレ圧力を増加していると確認した。
委員会は、世界経済の伸び鈍化や国内需要低下の中で、追加金融刺激策が必要かどうか議論した。メンバーは金融政策のより多くのサポートが必要になるだろうと合意した。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
相場は、金融政策発表前に0.6635〜37米ドルで推移していたNZドルですが、発表直後に追加緩和必要性の内容に0.6597米ドルまで急落しました。しかし全般では市場が予想している先々の追加緩和に沿ったものであることから、急激に買戻が入り0.6662まで反発し、現在は0.6650米ドル前後で推移しています。
0.6630米ドルのサポートは守られた形になっており、現在は6月7日に付けた0.6682米ドルのダブルトップを狙う構えにいます。ここをクリアすれば0.6720米ドルが次のポイントになります。一方で下値は0.6630米ドル未満でNYが引けると、これまでのNZドル上げが一度終了します。
(6月26日14:00、1NZドル=0.6652米ドル)
次回の金融政策は2019年8月7日(水曜日)に予定されています。
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