パウエルFRB議長NY講演会要旨
25日NY時間夜にFRBパウエル議長が経済見通しと金融政策の回顧に関する講演を行いました。以下はその講演内容について、主要部分のみ簡単に触れておきます。
(講演要旨)
金融政策決定への挑戦が最近ファンダメンタルズ的に変化しており、その要因をより回顧するよう仕向けられている。金利は以前より下がり、現状そのままの状態になっている。低金利が続いていると言うことは、経済が下降に向かい、金利がゼロに近付く様に下がることを意味する。低金利になることは中銀に対し新たな問題を持ち出し、新たな考え方を呼び込む。我々はこれらの問題に関して最善の思考により、恩恵に結びつくことを望んでいる。
(中略)
今年の経済も現状まではかなり良い状況で推移している。底固いファンダメンタルズが持続的成長を支え、強い雇用を生み、失業率は歴史的に低い水準にある。インフレは我々目標の2%以下であるが、堅調な成長と強い雇用で、いずれ上昇すると予想している。これらの好ましい絵(見通し)に沿って、我々は貿易状況の進展や世界経済を含めた幾つかの逆流について気に留めている。5月のFOMC時点ではこれらの逆流に一時的ながら緩和の兆しが見えており、政策金利を調整するほどの強いものはないと見ていた。
それ以降、絵(見通し)は変化した。逆流が起こり、最近入手したデータによれば、貿易問題の潮目の変化がより不確実性を引き起こしている。企業や農業分野からは貿易の先行きへの関心の高まりが報告されている。これらの関心が、最近の調査によれば企業の信頼感を下げている。例えば、限定的な証拠しかないが、企業投資は年初のペースよりも鈍化していることを示唆している。
不確実性の高まりに対し、FOMCでのベースラインとなる見通しはまだ好ましい状態を維持している。これは失業率が歴史的に低く、インフレが2%に回帰する予想があるからである。しかし、年初よりもペースは鈍化した。しかしながら、この好ましいベースラインに対するリスクが大きくなっているようだ。
先週、FOMC会合で現状維持のスタンスを決めた。主要政策手段やFFレートの変更はしなかった。しかしながら、我々の議事要旨には重要な変化を記載した。年初以降、我々は政策変更の必要性の評価を辛抱強く行う姿勢を取ってきた。しかし今回我々は、委員会が経済見通しに関し入手する情報を注意深く監視し、景気拡大を維持するために適切な行動を取ることを明記した。
同僚や私が取り組んでいる疑問はこの不確実性が先行き経済にどの位の重石になるか、追加緩和政策を呼び込むのかということである。
多くのFOMC参加者は、より緩和的な政策が経済を強くするのかについて判断している。しかし、同時に金融政策が個別データやセンチメントの短期的振れに過剰反応すべきではないことを心している。我々は入ってくる情報の裏の意味まで注意深く監視するつもりであり、経済拡大を支える適切な行動をとるつもりである。
(以上)
(上記出所:FRB HP)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
NY時間ではこの講演後にドルが少し買われました。これは講演内容に、現状までの米経済はまだ巡航速度であり、先々利下げの可能性はあり得るが、年内に50ベーシス利下げするとの市場予想に水を差した内容との見方です。
CMEのFOMC金融政策でのFFレート予想(2019年6月25日現在)では、
次回7月31日 市場の75%が2〜2.25%、25%が1.75〜2.0%、
9月18日 19.6%が1.50〜1.75%、64.2%が1.75〜2.0%、16.1%が2.0〜2.25%
となっており、概ね年内2回50ベーシスの利下げ見込みになっています。
一部エコノミストは最近の経済指標悪化の見方がFRBはまだ緩いとの判断をしています。
(2019年6月26日 13:00、1ユーロ=1.1356ドル、1ドル=107円45銭)
オーダー/ポジション状況
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