ドル円、ムニューシン米財務長官による米中交渉に前向きな発言で急伸
海外時間の為替概況
26日の海外市場でドル円は急伸。NY時間に発表された米5月耐久財受注(結果▲1.3%、予想▲0.3%)は冴えない結果となったものの、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注(コア資本財受注、結果0.4%、予想0.1%)が市場予想を上回ると、ドル円は上昇。ムニューシン米財務長官による「中国との交渉が暗礁に乗り上げる前は妥結まで90%のところまで来ていた、合意達成への道筋はある」との米中交渉に前向きな発言も支援材料となる中、NY時間午後にかけては、高値となる107.86まで上値を伸ばしました。もっとも、一目均衡表転換線(107.75)や10日移動平均線(107.89)付近では戻り売り意欲も根強く、108円台乗せは阻まれました。結局107.79まで押し返されてのクローズとなっております。
一方、ユーロドル相場は上昇するも伸び悩む展開。米5月コア資本財受注が市場予想を上回ったことに伴うドル高を背景に、ユーロドルは一時1.1349まで下落しましたが、ムニューシン米財務長官より米中交渉に前向きな発言が伝わると、リスク回避ムードの後退を受けたユーロ円の買いが下支えとなり、ユーロドルも1.1390まで反発しました。もっとも、1.14手前では戻り売り意欲も根強く、引けにかけては再び反落。結局、1.1369まで押し返されてのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円相場は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B43営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されます。昨日の上昇を受けて、強い下落トレンドを示唆するバンドウォークは終了しましたが、一目均衡表転換線(107.75)や10日移動平均線(107.89)付近では戻り売りが強まるなど、108円台を回復するには至りませんでした。米中首脳会談を前にひとまずポジション調整が入ったものと推察されます。
もっとも、ファンダメンタルズ的に見れば、世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政悪化問題、米独関係悪化懸念、イランを巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。また、欧米をはじめ各国中央銀行が「ハト派色」を鮮明に打ち出す一方、日銀に政策手詰まり感が見られることも、日本とその他各国との金融政策格差の縮小という観点から、ドル円の上値を抑制する一因になると考えられます。本日は、米第1四半期GDP確定値や、コアPCE、米新規失業保険申請件数など、一連の米経済指標の結果や、G20を前にした要人発言に振らされながらも、方向感を見出し辛い時間帯が続きそうです。(予想レンジ:107.10ー108.10 ニュートラル見通し)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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