<< 東京市場の動き >>
週明け10日の東京市場は、ドルが小高い。108.60円台まで値を上げ、直近の戻り高値をわずかながら更新している。
先週末に、日米財務相会談が実施されたものの、「為替条項は議論されず」。また、トランプ米大統領から急転直下の「メキシコ関税見送り表明」が聞かれるなか、週明けの為替市場がオープンした。上記2つのニュースを好感したドル円は、先週末のNYクローズより20-30ポイント高い108.45円で寄り付くと、その後もドルは底堅く推移。結局、下方向のギャップは埋めきれないまま、日中高値である108.65-70円まで上昇し、そのまま16時時点でもドル高値圏で推移、欧米時間を迎えている。
なお、ビットコインは、これまでと比較するとやや落ち着いてはいるが、それでも7700ドル台から7500ドル前半へ下落。そののち再び7700ドル台を回復といったような、なかなかの上下動が観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易問題」について。
先週末にはG20財務相・中銀総裁会合が実施され、それと絡めた二国間会合なども多く、米中貿易摩擦に関する発言などが相次いだ。たとえば、ラガルドIMF専務理事からは「世界経済に下振れリスク、米中貿易摩擦が主な原因」との発言が聞かれている。そうしたなか、「米財務長官と中国人民銀総裁が会談、貿易問題など協議」、米紙「中国政府、ファーウェイ制裁に関し海外IT大手に警告」、環球時報編集長「中国、米国への技術輸出規制を準備」、「米高官、副大統領らにファーウェイ制裁の一部延期を要請」など、関連ニュースが相次いでいた。
そのほか単発モノとして、「メイ英首相、与党党首の辞表提出」、「G20財務相会合閉幕、共同声明で『貿易摩擦にさらなる行動を』」、ブルームバーグ「黒田日銀総裁は『大規模な緩和を行う余地がある』と発言」−−などといった発言やニュースが報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週は1週間を通して1円にも満たないレンジ取引。そんな形成レンジを今週のどこかで抜けていくとは思っていたが、まさか週初の東京時間にいきなり超えていくとは予想していなかった。再三再四指摘しているように、昨年来のドル円は「ダマシ」の多いことが気になるものの、マーケットの地合いを素直にみればリスクはドル高方向にバイアスか。109円台回復に向け、ドルが続伸する可能性も。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など注目要因は数多い。難しいのは、そのなか「米貿易問題」については10-11日に実施される「日米通商交渉」が要注意ではあるが、先週末に実施された日米財務相会合で為替は議論されなかったこともあり、目先小康状態。見送りが決定した「メキシコ関税」とあわせ、マーケット的にはドル買い要因か。しかし、先週はパウエルFRB議長をはじめとする米政府要人から「利下げ容認発言」が相次いだだけでなく、週末に発表された米雇用統計はまさかのネガティブサプライズ、予想以上の悪化となった。これは当然、ドル高の足かせ要因。そんなドルにとっての強材料と弱材料の綱引きがしばらく続きそうだ。
テクニカルに見た場合、先週のレンジ上限だった108.62円を本日東京時間に早くも突破してきた。基本的なリスクは上方向にバイアス。一目均衡表の転換線が位置する108.85-90円や109円レベル、あるいは移動平均の25日線が位置する109.35-40円などがそのターゲットに。
ただ下方向、108.20-35円にわずかながらギャップを空けたままであるため、それを埋める展開になるとの指摘も一部で聞かれている。
一方、材料的に見た場合、4月の雇用動態調査という米経済指標が発表されるものの、正直言って市場の関心は低く、基本的にはノーインパクトか。ただ、11日までの日程で実施される「日米通商交渉実務者協議」や、「米下院司法委によるモラー報告書めぐる公聴会」の行方などには一応要注意。
そのほか、13日の「第一回・保守党党首選投票」に向けた英政治情勢など欧州ファクターも気掛かりな要因は少なくない。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、108.10-109.10円。ドル高・円安方向は、転換線が位置する108.85-90円や109円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ、25日線が位置する109.35-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108.20-35円レベルに依然として空けたままのギャップが最初のドル下値メド。底堅いイメージだが、ギャップをしっかり割り込んでなお下げるようだと、再び108円台を割り込む可能性も否定出来ない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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