ドル円は3月末以来の110円割れ、下値余地拡大か(5/8夕)

8日の東京市場は、ややドル安。一時は3月26日以来となる110円割れを記録する局面も観測されていた。

ドル円は3月末以来の110円割れ、下値余地拡大か(5/8夕)

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8日の東京市場は、ややドル安。一時は3月26日以来となる110円割れを記録する局面も観測されていた。

ドル円は110.20-25円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。110円を割り込めず底堅く推移していたものの、株価の動きなどをにらみつつ底割れすると、そのまま日中安値である109.90円レベルまで値を下げた。安値を付けたのちは、若干小戻すと110円挟みのレンジ取引に。16時時点でドル円は110.10円前後で推移、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に、NZドルが対円で1円近い急落をたどるも、結局「行って来い」。NZ中銀による利下げ実施を材料に、当初は通貨売りがかさんだものの、一巡後はじわじわと買い戻されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」について。
9-10日に実施される閣僚級協議を前に、中国サイドから「中国外務省、米中貿易摩擦は関税で問題解決しない」、環球時報「米中貿易摩擦、中国は『論戦より協議を重視』」といった観測気球が打ち上げられている。それに対し米国は、日経新聞「『関税カード』で補助金潰し、中国に全面譲歩迫る」、ダラス連銀総裁「米中貿易協議を楽観視」、米紙WSJ「米国の強硬な要求、協議再開に応じた中国に難題」などと強気あるいは楽観的な論調が目についた。
そのほか単発モノとして、「米国務長官、14日にロシア外相ならびに同大統領と会談も」、「仮想通貨ビットコインは、昨日欧米時間に一時6000ドル台回復も定着できず」、東京新聞「北朝鮮、会談条件として日本に入国禁止解除を要求」、「米国務長官がイラクを電撃訪問、同国首相らと会談実施」−−などといった発言やニュースが報じられている。

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10連休明けの日経平均、株式市場は連日の大幅安。それもあり、為替市場はドル売り・円買いが優勢だ。ドル円は前述したように、3月26日以来の110円割れが一時観測されている。3月25日安値109.70円を下回ってはおらず、大きな意味では辛うじてレンジ内だが、リスクという点では下方向か。3月安値を下回るようだと、年初来安値104.10円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻し109.20-25円や、半値戻し108.25円などがターゲットとなりそうだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」に対する警戒感も強いが、米中を中心とした「米貿易要因」が最重要ファクターとして注視されている。先で取り上げように米国サイドからはやや楽観的な見方も聞かれるものの、世界の株式市場をみてもわかるように、金融市場的には先行きへの心理的な不安感が強い。いずれにしても、如何なる決着をみるのか、9-10日に実施される「米中閣僚級協議」の行方には要注意だろう。

テクニカルに見た場合、昨日はドルの下値を支えた110.30円レベルに位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限を、本日の東京時間に下回る展開となっている。まだザラ場ベースの動きであり、今後NYなどにかけ回復する可能性も否定できないが、仮に同レベルでドルの上値がキャップされると、明日以降さらなる下値を試す動きとなっても不思議はない。
そんなドルのサポートは、フィボナッチを参考にすると109.20-25円や、108.25円などとなる。

一方、材料的に見た場合、とくに目立った米経済指標の発表はなく、そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気も。ただ、米財務省が10年債の入札を実施するほか、ブレイナードFRB理事がコミュニティ関連の会合で開会スピーチを実施される見込みとされ、それらは一応要注意だ。
そのほか、9-10日の「米中閣僚級貿易協議」をにらんだ鍔迫り合い、観測気球の打ち上げ合戦などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.70-110.70円。ドル高・円安方向は、一目の雲の下限が位置する110.30円レベルが最初の抵抗。超えてくれば111円前後が次のターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値である109.90円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば109.20-25円などを目指す。

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