NZ中銀の金融政策結果(5月8日開催分)
本日8日に、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレート(中銀政策金利:OCR)を従来の1.75%から0.25%下げ、1.50%としました。エコノミスト予想通りの緩和となりました。
以下はNZ中銀金融政策議事要旨です。
オフィシャルキャッシュレート(OCR)は1.5%に下げた。
金融政策委員会はより低いOCRが雇用や金融政策が付託しているインフレに沿った見通しを支えるのに必要であると判断した。世界経済の伸びは2018年央から緩やかになった。そしてNZの商品やサービスに対する需要も緩やかとなった。この世界的に低い成長は中央銀行に金融政策スタンスを緩和するように促した。
しかしながら、世界経済の先行き概観については不透明である。
貿易問題は依然として残っているが、一方で幾つかの指標はまだ貿易相手国の成長が安定的であることを示唆している。
国内経済は2018年下半期から減速した。移民の純増分が低くなり、人口の伸びが緩やかになった。そして幾つかの地域で住宅価格は下がり続け、家計消費を下げている。企業センチメントも低下し、利益幅は厳しくなり、資源競争力の高まりが企業投資を抑制している。
雇用は最大級の水準に近いところまで上がっているが、雇用の伸びは小さくなっており、稼働率の高まりが2019年には和らぐと予想している。
この雇用やインフレ見通しで、低いOCRは我々の目標を達成するに首尾一貫したものであり、よりバランスとれた金利であると思われる。
(会合記録)
委員会は2019年5月の経済見通しの概略に同意した。これはOCRから形成される健全な姿を達成できるものである。
委員会はインフレが中銀目標値の中央値から下回り、雇用は目標とされる最大限の水準にいることを確認した。しかしながら、最近一層弱くなった国内消費や、それによる先々の成長や雇用に逆風が吹いていることを確認した。一段の緩和が必要であり、それが目標へ合致させる。
主要な下方リスクとして、我々の成長見通しが予想以上の世界経済鈍化となった場合に影響を受けることである。特に、NZの主要貿易パートナーの中国と豪州である。
委員会は中銀からの追加刺激策が成長を支え、より明白となった鈍化を減していけると確認した。最近の世界経済の幾つかの指標はここ数ヶ月で改善した。しかしながら、委員会はよりバランスを取るために、より早い回復よりも、これまで継続している景気鈍化に関心が集まった。
(以下、委員会が指摘したリスクを箇条書きにします)
@家計消費、企業投資、政府支出の重要性については認識しているが、先々は不確実性が高い。
A投資環境について上振れ、下振れリスクについて確認した。稼働率の高まりがおこれば予想以上の早さで投資は増加する。逆に、投資センチメントが低く、利益率が悪くなれば、中期的には予想以上に投資が下がる。
B2019年については、雇用の伸びの見通しは当初より下がり、稼働率の高まりも幾分下がっている。
Cインフレについては2月時点の予想よりも下がり、中銀目標値の中間以下になると予想される。それでもインフレ見通しは目標値中央に向かって上昇していくと予想している。
D民間部門の賃金の伸びが下がっていること。
E2月時点の見通しと比較して、今回の利下げは適切であると確認した。これによりインフレの目標値に向けた上昇や雇用の拡大に供するとみている。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
相場は、金融政策発表前には0.6600〜05米ドルで推移していたNZドルですが、発表直後に0.6527〜28米ドルまで急落しましたが、エコノミスト予想通りでもあり、ショートカバーが入り0.6580〜85米ドルまで戻しています。
短期的な0.6490〜0.6640米ドルのNZドル安トレンドラインは依然有効で、このレンジ内の0.6510〜20米ドルのサポートに止められた形になっています。サポートとしては0.6520、0.6480〜90米ドルにあります。上値は0.6610、0.6640米ドルに抵抗線あります。後者を越えればNZドルの下落リスクは軽減されます。
目先のNZドル安の材料は出尽くしているので、暫くは経済指標を見ながら、先々に追加緩和があるのか、見送られるのかの判断となります。因みにエコノミストはまだ2回程度の緩和予想ですので、経済指標が悪いと再度NZドルの下値リスクが高くなります。
(5月8日14:00、1NZドル=0.6590米ドル)
次回の金融政策は2019年6月26日(水曜日)に予定されています。
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