ドル円、米中貿易協議の行方を睨み安値圏で神経質な展開
海外時間の為替概況
8日のドル円相場は、日本時間昼頃に一時約1ヶ月半ぶり安値となる109.90まで下げ幅を広げましたが、109円台後半で下げ渋るとその後反発に転じました。欧州勢参入後には、トランプ米大統領による「米中通商合意を成立させるために(劉鶴)副首相が訪米する」とのツイートを背景に米中貿易協議を巡る悲観的な見方が後退する中、米主要株価指数の上昇も相まって、ドル円は一時110.26まで上昇する展開となりました。しかし、一目均衡表雲下限(110.30)が位置する同水準では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、中国商務省による「米国が5/10に関税を引き上げれば、然るべき報復措置を取らなければならない」との報道を嫌気する形で反落に転じました。冴えない米10年債入札を受けた米長期金利の上昇に下支えされながらも、110.10近辺で上値重く推移するなど、1日を通して、米中貿易協議を巡るヘッドラインに一喜一憂する展開となりました。
ユーロドル相場は1.12を挟んでの小動きに終始。新規材料に乏しい中、方向感を見出し辛い時間帯が継続しました。昨日目立ったのはNZ(ニュージーランド)ドル。NZ準備銀行(RBNZ)が2年半ぶり利下げ(1.75%→1.50%)に踏み切ったことが背景です。対ドルでは、一時0.6529まで下げ幅を広げるなど、昨年11月以来、約半年ぶり安値を更新。対円でも1/4以来、約4ヶ月ぶり安値(71.90)を記録しました。尚、総選挙が行われている南アフリカについては現時点で結果が判明しておらず、南アフリカランド・円相場は7.66円付近で動き辛い展開となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、海外勢参入後に持ち直しつつも、一目均衡表雲下限(110.30)付近では伸び悩む動きを見せました。市場参加者が同水準を意識している証左と言えそうです。終値ベースで一目均衡表雲下限を下回ったことから、テクニカル的に見れば、強い売りシグナルを表す三役逆転(日足)の継続が確認されます。引き続き、ドル円の続落リスクに警戒が必要でしょう。通貨オプション市場では、リスクリバーサルが約4ヶ月ぶり水準まで急拡大(円コールオーバーの拡大)するなど、円高リスクを織り込む動きが足元で急速に広がりを見せております。110円丁度の心理的節目を再度割り込む展開となれば、3/25安値の109.72や、1/31安値の108.49を試す動きも視野に入ります。本日から明日にかけて開催される米中貿易閣僚級協議を前に、ドル円は引き続き神経質な値動きが続きそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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