<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、一進一退。110円後半、30ポイントに満たないレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円は110.80円前後で寄り付いたものの、動意が乏しい。終日を通して110.65-90円といった狭いレンジ内での揉み合いに終始している。
日経平均株価は前日比104円高で寄り付いたのち、マイナス圏へと転じたものの、下げ幅も限られたため、為替への影響は限定的だった。ドル/円は16時時点で、寄り付きとほぼ同じ110.80円前後で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、引き続きEU離脱に関する報道などが相次ぎ、ポンドの波乱要因に。たとえば、「EU首脳会議、メイ氏提案の『6月末まで延期』案を却下」、欧州委員長「EUは来週に緊急首脳会議開催も」、ロイター「EU、英離脱期日5月22日まで延期で合意の意向」、EU首脳会議声明「英離脱の4月12日までの無条件延期を提案」−−といった報道が観測されていた。
対して後者は、韓国メディア「北委員長の『執事』がモスクワ入りか」、「米、新たに北朝鮮制裁の対象指定」などと報じられたほか、朝鮮中央通信「北、来月11日に最高人民会議開催」、聯合ニュース「韓国外相、『米朝首脳会談、米の要求は“核凍結”』と発言」、北メディア「北が韓国に対米交渉の仲介を要求」といった報道も相次ぎ観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
3月以降の形成レンジ下限であった110.78円を割り込むも、下値は110.30円まで。つまり結局、2月12日以降ドルのサポートとして寄与してきた110.25-30円を下回ることが出来なかったことになる。過去1ヵ月以上に及ぶ大きなレンジ内には、いまだ留まっているようで、明確な方向性には欠ける状態だ。ザックリ言って110円、112円のどちらへ抜けていくのか、その方向性が注視されている。
材料的に見た場合、FOMCを消化するなか、マーケットの関心はジワリと米中そして米朝関係に戻りつつあるようだ。とくに前者については、来週に「米中通商協議」が予定されていることで、様々な憶測も指摘されている。たとえば、ブルームバーグでは「米政府当局者らは中国との合意が差し迫っているとの見方に否定的な見解を示している」と報じ、市場の一部で物議を醸していた。なお、米中の影に隠れがちだが、日米ならびに米欧による貿易協議についても要注意だ。
テクニカルに見た場合、「3月以降」というレンジは下放れたものの、110.25-30円に下げ止まり、それ以前からの長期ボックス圏にはいまだとどまっている。つまるところ、いまだ明確な方向性が示されたわけではないようだ。
そうしたなか、やや興味深いのは移動平均で見た場合。ドルの上値を25日線(111.15-20円)や200日線(111.45円レベル)などが抑制する反面、下値を75日線(110.55円レベル)が阻んでいる。本校執筆時に推移している110円台後半は、ある意味居心地が良いレベルであるのかもしれない。
一方、材料的に見た場合、3月の製造業や総合PMI速報、2月の中古住宅販売件数といった幾つか米経済指標が発表される予定となっている。そのほか米国ファクターは、継続案件として気になる要因が多い。
対して、欧州絡みは引き続き「英国情勢」が気に掛かるなか、2日目を迎える「EU首脳会議」や、習中国国家主席による欧州歴訪に関する動きなどにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.20円。ドル高・円安方向は、昨日高値の111円前後が最初の抵抗で、超えても上方向には前述したように25日線や200日線などテクニカルポイントが多い。
対するドル安・円高方向は、昨日安値にもあたる2月12日以降ドルの下値を支え続けている110.25-30円が、強固なサポートとなっている。割り込めば、110円あるいは一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する109.85-90円がターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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