ドル円は依然膠着、欧州情勢に要注意か(3/7夕)

7日の東京市場も小動き。前日同様、終日を通したレンジは20ポイント程度にとどまるなど、依然として方向性は乏しい状況だ。

ドル円は依然膠着、欧州情勢に要注意か(3/7夕)

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7日の東京市場も小動き。前日同様、終日を通したレンジは20ポイント程度にとどまるなど、依然として方向性は乏しい状況だ。

ドル/円は、寄り付いた111.75円前後を起点にドルはじり安推移となり、111.55-60円まで一時小緩む。日経平均株価が3日続落、終値ベースで140円安となったことなども材料視されていたようだ。
しかし、ドル/円はここ最近の安値である111.60円をしっかりと割り込めなかったことで反発に転じると、結局「行って来い」。夕方にかけては寄り付きレベルである111.75-80円へと値を戻し、16時時点でもほぼ同レベルで推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「英国情勢」について。
前者は、CNNが「北委員長、最後に譲歩も米側が拒否」と米朝首脳会談の舞台裏を明らかにするなか、トランプ米大統領「北のミサイル発射場復旧報道、本当なら失望」、「日米韓高官が会談、北の完全非核化目指し引き続き連携を確認」、「国連、北朝鮮国民への人道支援呼び掛け」−−といった発言や報道が観測されている。
対して後者は、日産やホンダに続き、今度は「トヨタ、英生産撤退の可能性も」との発表がなされ、思惑を呼ぶことに。そうしたなか「英国際貿易相、合意なき離脱時の輸入関税で『基本合意』」、「欧州委報道官、英離脱協議で安全策めぐる解決策見いだせず」、英紙テレグラフ「英内閣はEU離脱案の来週の議会での否決を予想」といった発言や報道もあり、ポンド相場に影響を及ぼしていた。

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5日のNY時間に112円台を示現し年初来高値をわずかに更新するも、レンジをしっかりとは抜けられず。すると今度は一転して下値を試す展開となり、本日東京時間に最近のレンジ下限である111.65円レベルを一時割り込んだが、下値は111.55円レベルまでだった。つまり、過去1週間程度に及ぶ111.65-112.05円という極小レンジを、111.55-112.15円へと多少拡大させた。いずれにしても、依然として明確な方向性は乏しいと言わざるを得ない状況だ。

材料的には、トランプ氏から「北のミサイル発射場復旧報道、本当なら失望」との発言が聞かれたように、北朝鮮情勢に不穏な感じが漂い始めたことは気掛かり。また、米中貿易問題などを背景とした「中国ファクター」にも警戒する声が多いなか、本日に限れば英国を含めた欧州情勢により注意が必要かもしれない。なお、ECBによる政策金利の発表などが警戒されているほか、ロイターは「7日の理事会でユーロ圏の経済成長見通しを下方修正すると同時に、予想外の減速が景気低迷に移行しないよう、低金利融資の形で新たな刺激策を準備していることをこれまでになく明確に示す公算が大きい」と指摘していた。


テクニカルに見た場合、年初来高値を一時更新したものの、112円台に定着できなかったことで、一転ドルは下値をうかがう展開となっている。ドルの下値もかなり底堅そうだが、レベルを少しずつ切り上げ、本日は111.35円前後に位置する移動平均の200日線を下回れば、さらなる深押しが入る可能性も。また、逆に200日線に下値を支えられる格好で、このあと再びドルの上値トライを予想する強気派の声も少なくない。

一方、材料的に見た場合、10-12月期の非農業部門労働生産性や1月の消費者信用残高などの米経済指標が発表されるほか、ブレイナードFRB理事による講演なども予定されている。そのほか、「米大統領が米財務長官と7日午前11時に会合」と報じられるなど、積み残し案件を含め「米国ファクター」には引き続き要注意だ。ただ、先でも指摘したように本日は英国を含めた「欧州情勢」も注目材料が多く、気掛かり。その最たるものは、「ECB理事会と政策金利の発表」そして「ドラギ総裁の記者会見」となる。
発表内容次第では、ユーロやポンド主導の乱高下も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.20円。ドル高・円安方向は、先日示現した年初来高値112.14円が最初の抵抗。抜ければ112.25-30円、112円後半などを目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、本日東京で記録した安値の111.55-60円をめぐる攻防に注目。ただ、下回っても111.35円前後に移動平均の200日線が位置するなど、引き続き底堅いイメージではある。

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