<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、ドル高・円安。
夕方にかけて再び110円に接近するなど、ドルの強さが目に付いている。
ドル円は、109.60-65円で寄り付いたものの、しばらくは揉み合い。109.50-70円程度のレンジ取引となった。しかし、レンジを上抜けると、そのままドルは続伸し、日中高値である109.80-85円を記録している。時間外で取引されているNYダウ先物が堅調推移をたどったうえ、日経平均株価も終値ベースで198円高となったことが好感されていた。
前回超えられなかった110円には今回もとどかなかったが、そのままドルは高値圏をキープ。16時時点でも、109.80-85円を維持、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米政府機関閉鎖問題」について。
日本時間の本日未明に、「米上院が与党共和党と野党民主党主導の予算案を採決に持ち込むための動議を、それぞれ否決」しており、局面を打開することは出来なかった。そうしたなか米下院のペロシ議長による「大統領と直接会合の用意ある」との発言や、CNNによる「米WH、国境の壁建設費めぐり非常事態宣言を準備」との報道が観測されている。
また、個別案件として、日経新聞「日米貿易交渉、来月以降に先送り」、「米、ベネズエラ情勢で安保理会合開催を要請」、「米商務長官、『米中貿易問題の解決にはほど遠い』と発言」、「米財務長官、『来週の米中通商協議では通貨も議題に』と発言」−−などの米国ファクターのほか、米紙WP「サウジに弾道ミサイル開発の疑い」、英紙サン「北アイルランド政党DUPがメイ首相の離脱案支持を非公式に決定」などといった報道も思惑を集めていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは非常に底堅く、実際、23日以降の動きを時間足などでみると、おおむね109.40-110.00円のレンジだ。短期的には108円台ですら遠のいているようで、ドルの下値がかなり切り上がってきているようだ。しかしながら、上値も重く110円をいまだ超えられていないことは若干気掛かり。リスクはドル高方向だが、上抜けに失敗すれば、いわゆる「時間切れ」となり、しばらくレンジ取引を続ける可能性もあるだろう。
一方、材料的にはやや気になる動きも。そのひとつは、依然として解決の糸口が見えない「米政府機関の閉鎖」であり、またやや楽観論に傾斜していた米中貿易協議についても、ロス米商務長官の発言が冷や水を浴びせた格好にあると言えよう。NYダウなど米株の動きを見ると、マーケットはまだ辛うじて強気を保っているものの、予断は許さないかもしれない。
テクニカルに見た場合、基本的なリスクは引き続きドル高方向にバイアスがかかりそう。接近はするものの、なかなか超えられない110円レベルをめぐる攻防が引き続き注視されている。
なお、上抜けた場合はフィボナッチの観点で見た110.35円レベルがターゲットだが、週足・一目均衡表では、110.05円レベルに先行帯の雲の上限が位置しており、それをNYクローズで上回れるか否かも注目ポイントとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、12月の新築住宅販売件数など幾つかの米経済指標が発表される予定だが、それらは公表先送りの公算も取り沙汰されている。(米耐久財受注、新築住宅販売は公表延期:編集部注)実際に、個別の発表スケジュールを確認していただきたい。
そのほかでは、欧米企業の決算発表が少なくないうえ、本日最終日を迎える「ダボス会議」における要人発言にも引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.40-110.40円。ドル高・円安方向は、年初来高値である110円レベルが最初の抵抗。抜ければ110.35円がターゲットに。ただ、ストップロスが蓄積されつつあるとされており、さらに値が飛ぶ危険性もあるだろう。
対するドル安・円高方向は、ここ数日ドルが下げ止まっている109.40円レベルが目先のサポート。ただ、割り込んでも直近安値109.14円をはじめ、下方向にサポートは多く大崩れは予想しにくい。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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