ドル続落注意マーケットはXmas前で動き辛い(12/20夕)

20日の東京市場は、円が全面高。ドル/円もさることながら、豪ドル/円やNZドル/円などオセアニア通貨とのクロスを中心に円は全般的に買い進まれている。

ドル続落注意マーケットはXmas前で動き辛い(12/20夕)

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20日の東京市場は、円が全面高。10月29日以来の112円割れとなったドル/円もさることながら、豪ドル/円やNZドル/円などオセアニア通貨とのクロスを中心に円は全般的に買い進まれている。

ドル/円相場は、112.40円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。ゴトー日ということでの仲値不足観測なども指摘され、112.60円レベルまでじり高推移となった。
しかし、前日比207円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅を広げ、一時700円以上も下落したことが嫌気されると、リスク回避の円買いが徐々に優勢に。112円を割り込み、日中安値である111.85-90円まで値を下げている。16時時点ではドルの安値圏である111.90円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」について。
注目されていた前日のFOMCで「FF金利の誘導目標引き利上げを実施」するのと同時に、来年の利上げ回数が「3回から2回へと減った」ことが確認されている。また、それとは別に「トランプ米大統領、米軍のシリア完全撤収を検討との発言」、「米財務省、選挙介入でロシア制裁決定」、「米上院、政府閉鎖回避のための暫定予算案を可決」−−といったニュースも観測されていた。
そのほか個別の案件として、「欧州委がイタリアの予算修正を承認」、カナダ紙「中国、3人目のカナダ人を拘束」、「日銀は金融政策の維持を決定」−−といった報道などがあり、それぞれ市場で思惑を呼んでいる。

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為替市場はFOMCの前にも動いたが、結果からすると、FOMC後にも大きく動く展開となった。もちろん、日米の株安進行といった要因はあったものの、それでもドル/円は112円を割り込む値動きをたどっている。テクニカルには、再三再四指摘していた11月以降のレンジ下限(112.23円)をしっかりと割り込んできた感があり、続落を懸念する声も少なくない。昨日レポートしたように、年末をにらんだ米企業のリパトリなど、ドルの下支えに寄与してきた需給要因がかなり剥げ落ちてきたとされることも気掛かりだ。
材料的には、今週最大の注目材料だったFOMCが終了し、米中をメインとした日米や日欧についての貿易問題が再びクローズアップされそう。とは言え、クリスマスまで1週間を切るなか、どこまで市場が動意を見せるのか、やや疑問もなくはない。当然、動静如何では「流動性の低下=激しい上下動」といった値動きをたどる可能性も否定はできないが、基本的には来週のクリスマス明けまで、材料面もいったん棚上げされる気がしている。

テクニカルに見た場合、11月以降のレンジ下限(112.23円)を割り込み111円台へ。今年の相場の特徴が「ダマシの多いこと」であり、抜けたと思ったレンジに結局回帰することが少なくないことは若干気掛かり。とは言え、素直に考えれば、やはりリスクはドル安方向なのだろう。因みに、10月安値の111.38円を起点としたフィボナッチでは、76.4%押しの112.05円を下回ったことで、次のターゲットは100%戻しの111.38円。そのレベルを下回ると110.90円前後で推移する移動平均の200日線が意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、12月のフィラデルフィア連銀景況指数、11月の景気先行指数いった米経済指標が発表される予定となっている。そうしたなか、米国ファクターで注視したいのは「米暫定予算」をめぐる動き。米連邦予算の一部が21日に期限を迎えるなか、前記したように「上院は暫定予算案を可決」している。このあと、下院も可決しトランプ氏が署名すれば、政府機関の一部閉鎖は避けられるだけに、その行方はしっかりと注視したい。
また、英国を中心とした欧州情勢も引き続き波乱含みで注意が必要だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.40円。ドル高・円安方向は、112.00-10円が目先の抵抗に。超えてくると、これまでのレンジ下限である112.20-25円や、一目均衡表の先行帯の雲の下限である112.45-50円がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、ポジションの蓄積こそ気掛かりだが、10月安値である111.38円が視界内に捉えられている。ドルの続落に要注意。仮に、そのレベルを下回ると、9月10日以来の110円突入も否定できない。

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