<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、113円半ばでのレンジ取引。新規材料に乏しかったこともあり、終日を通した取引レンジはわずか20ポイントほど。明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円相場は、113.35円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。早朝から様子見ムードが強く、終日を通したレンジは113.20-50円といったものにとどまるなど、凪相場の様相だった。16時時点では113.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかポンドは、やや軽い動き。対円ではNY終盤の142円台から141円半ばまで値を下げたあと、再び142円近くまで戻すなど「行って来い」の様相を呈していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「ファーウェイCFO逮捕」に関する報道について。
前者は、メイ首相がメルケル独首相などEU首脳と相次ぎ会談、EU離脱について協議をすするも、いずれの向きからも「合意案の再交渉はしない構え」が改めて示されている。そうしたなか、スカイニュースは英保守党議員の話として「メイ首相の不信任投票を12日夜にも実施の可能性」と報じ、思惑を呼んでいた。
対して後者は、カナダで逮捕された「ファーウェイCFO逮捕」について、中国サイドが報復の可能性も取り沙汰される「カナダの元外交官逮捕」に踏み切るなど様相が混沌とするなか、カナダ裁判所が「CFOの保釈を認める」決定を行っている。また、トランプ大統領から「ファーウェイ問題への介入を検討」といった発言も別途聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週6日と今週10日、少なくとも2度トライした112.20-25円がボトムとなり、ドルの下値リスクはかなり軽減した感がある。ただ、上値も重く114円から11月高値である114.23円はなかなか強い抵抗として意識され始めているようだ。つまり、112-113円台は居心地もよく、いましばらくはレンジ取引が続く可能性を否定出来ない。
材料的には、米中をメインに、日米や日欧についても貿易問題がジワリとクローズアップされ始めている。ちなみに、本日はトランプ氏から「米中貿易協議がさらに行われる見通し」「日本とEUへの自動車関税の決定は交渉次第」−−との発言が聞かれていた。いまスグどうこうという話ではないものの、潜在的なリスク要因として頭の片隅にでもとどめておきたいところだ。一方、やや気掛かりなのは欧米諸国を中心にクリスマスモードが高まる状況下、テロやそれに類する不穏な関連ニュースが増加し始めていること。たとえば、昨日欧米時間以降だけでも「フランスで発砲事件発生、2人が死亡し11人重傷」、「フェイスブック本社ビルに爆弾警告、避難を実施」といった報道が観測されている。事件性の有無などによっては、相場の波乱要因に。
テクニカルに見た場合、過去1ヵ月以上にわたり112.23-114.23円という2円レンジを形成しており、当然いまだそのなかにとどまっている。足もとだけを見ると、113円半ばまで戻してきたことで、下値リスクが幾分軽減された感はあるものの、上値も重そう。114円をしっかりと抜けていく勢いもうかがえない。上記2円レンジをどちらの方向に抜けていくのか、その方向性を注視しつつも、基本的にはレンジ取引が続く可能性がある。
とはいえ、上抜けの場合、年初来高値の114.55円や115円がターゲットとなる反面、下方向に割り込んできた際には10月安値の111.38円が視界内に捉えられそうだ。
一方、材料的に見た場合、11月の消費者物価指数などの米経済指標が発表されるほか、米財務省による10年債入札が実施される見込みだ。そうしたなか、「カナダ裁判所がCFOの保釈を認めた」ことで、ファーウェイ問題が今後どう進展するのか、米側の出方など続報に注意を払いたい。
また、先でも指摘したように、ヒョッとすると「メイ首相の不信任投票を12日夜にも実施の可能性」がある英国情勢をはじめ、欧州関連のニュースも気に掛かる。
ドル円日足
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.00-114.00円。ドル高・円安方向は、11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しに当たる113.75-80円が最初の抵抗に。近いレベルには月間のドル高値も位置している。ただし、抜ければ114円台回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日のNYクローズでも上回り、その後もドルのサポートになっている113.30円レベルに位置する移動平均の25日線をめぐる動きを注視。再び割り込めば、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する112.75-80円がサポートとして意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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