ドル円見通し 10月4日以降の中立地点(12/12)

中国商務省は劉鶴副首相がムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が11日午前に電話会談し、

ドル円見通し 10月4日以降の中立地点(12/12)

ドル円見通し 10月4日以降の中立地点

【概況・短期・中期の支持線ギリギリで踏みとどまる】

11月28日深夜高値114.03円から12月6日深夜安値112.24円まで下落、10日朝にもほぼ同値の安値を付けてから戻しに入った。直前の下げ幅に対する半値戻しが113.13円、3分の2戻しが113.43円だが、12日未明高値で113.46円を付けて3分の2戻しは実現した。
米中関係の悪化懸念、株安不安と米長期債利回り低下を背景に下落してきたが、3月26日以降の上昇波動における調整局面での安値を支え続けてきた104日移動平均に対して12月6日深夜及び10日朝安値も同線をちょうど試して割り込まずに踏みとどまっている。

10月4日高値以降は新たな高値更新へ進めず、11月12日、11月28日と高値を切り下げ、10月26日から11月20日と安値ラインも切り上げてレンジ縮小型の三角持ち合いを形成していたが、12月6日深夜への下落でこの安値ラインを割り込んだ。三角持ち合い下放れに入ったところではあるが、104日移動平均に支えられたこと、また8月21日安値と10月26日安値を結ぶより長期の安値ラインに対しても12月6日深夜と10日朝の安値ではザラバで割り込んだものの日足を下ヒゲとしたことでギリギリのところで支持線からの転落を踏みとどまった。その上で10月4日以降の持ち合い圏の中心まで戻してきているところにある。このため11月28日高値超えにより10月4日からの抵抗線を突破する可能性も回復しているが、そこまで戻せずに12月6日及び10日安値を割り込むと三角持ち合い下放れの追認となり、104日移動平均及び8月21日からの支持線転落となって形勢が悪化しやすい状況でもある。

一段高へ進むか転落してゆくのか、判断目安のレンジも縮小しているので、流れが一挙に進み始める前夜情勢として要注意な時間帯にあると認識しておく必要があるだろう。状況的には10月4日天井をなかなか抜けられずに持ち合いとなっている様が昨年12月から今年1月序盤の状況に似ている印象もあるが、その時は持ち合い下放れから一挙に下落基調が拡大した経緯もある。一段高へ進むか転落してゆくのか、判断目安のレンジも縮小しているので、流れが一挙に進み始める前夜情勢として要注意な時間帯にあると認識しておく必要があるだろう。状況的には10月4日天井をなかなか抜けられずに持ち合いとなっている様が昨年12月から今年1月序盤の状況に似ている印象もあるが、その時は持ち合い下放れから一挙に下落基調が拡大した経緯もある。

【株安不安継続、米大統領発言も波乱要因】

中国商務省は劉鶴副首相がムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が11日午前に電話会談し、米中首脳会談による合意の実行や通商協議のスケジュールやロードマップについて意見交換したと報じた。また中国が米国からの輸入自動車への関税を引き下げる意向とのブルームバーグやロイターの報道もあった。

【12月18−19日のFOMCもそろそろ意識】

米労働省が発表した11月の生産者物価指数は前月比0.1%上昇で市場予想の横ばいを上回った。エネルギーと食料品を除いたコア指数も0.3%上昇で同0.1%上昇を上回った。前年同月比では全体が2.5%上昇(市場予想は2.5%)、コア指数は2.7%上昇(同2.3%)した。総じて予想より強めの数字だったことで11日夜はドル高反応が見られた。
英国が12月11日に予定していたEU離脱協定への議会承認の採決を中止しメイ首相が窮地に立たされていることやフランスの反マクロン大統領デモの暴徒化等を背景にユーロ、ポンドが下落していることも今週のドル高を助長している。米長期債利回り低下傾向の継続はドル安要因ではあるが、それよりもユーロ安、ポンド安等によるドル押し上げ効果が勝っている。

12月18−19日のFOMCも迫ってきた。市場は7割以上の確率で今年4回目の利上げが決定されるとみているため、FOMCへ向けてドル高が進みやすい状況に入るかもしれない。ただ最大の焦点はFOMCメンバーによる来年の利上げ回数及び金利水準予想であり、これまでの四半期ペースから大幅に鈍化し、利上げ終点が近い印象となればドル安感が強まる可能性がある。もちろんそれ以上にユーロやポンドの弱さが認識されればドルストレートでのドル高の一方でクロス円での円高という図式になるかもしれない。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月5日未明安値から3日目となる12月10日朝安値で6日深夜安値とのダブル底を付けてリバウンドに入っている。前回のサイクルトップである7日午前高値を基準として今回の高値形成期は11日朝から13日午前にかけての間と想定しているが、すでに4日を経過しているのでトップアウト警戒期に入ってきた。113円台を維持するうちは12日夜にかけての上昇余地ありとみるが、113.25円割れを弱気転換注意、113円割れからは弱気サイクル入りとして13日から17日の日中にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜けたが、その後も両スパンそろっての好転状況が維持されているので、遅行スパン好転中は高値試し優先とする。26本基準線割れ、遅行スパン悪化と続く場合は弱気転換注意とし、先行スパンへもぐりこむところからは先行スパン転落へ進みやすくなるとみる。先行スパンに潜り込んでも転落回避で再び上抜けてくるようなら12月6日深夜と10日朝安値によるダブル底からの上昇がさらに継続してゆく可能性が高まるが、転落の場合は戻り一巡による下げ再開が疑われる。

60分足の相対力指数は11日高値形成時と12日早朝への高値更新にかけての間で指数のピークが切り下がる弱気逆行気配がみられるので、60歩イン割れを弱気転換注意、50ポイント割れからは下落再開を疑う。

ドル円見通し 10月4日以降の中立地点

以上を踏まえて週中のポイントを示す。
(1)当初、113.25円、次いで113.00円を支持線、113.50円台を抵抗線とみておく。
(2)113.25円以上を維持するか、一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとし、113.50円台に乗せて維持し始める場合は113.75円から114.00円手前への上昇を想定する。113.75円以上は反落警戒とみるが113.25円以上を維持するうちは13日も上昇継続の可能性ありとする。
(3)113.25円割れを弱気転換注意、113円割れからは弱気サイクル入りとして112.75円から112.50円台への下落を想定する。また113円以下での推移が続くうちは13日にかけても下落継続とみる。(了)<9:50執筆>

【当面の主な予定】

12/12(水)
休 場 メキシコ
13:30 (日) 10月 第三次産業活動指数 前月比 (9月 -1.1%、予想 0.9%)
19:00 (欧) 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 -0.3%、予想 0.2%)
19:00 (欧) 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 0.9%、予想 0.8%)
22:30 (米) 11月 消費者物価指数 前月比 (9月 0.3%、予想 0.0%)
22:30 (米) 11月 消費者物価指数 前年同月比 (10月 2.5%、予想 2.2%)
22:30 (米) 11月 消費者物価コア指数 前月比 (10月 0.2%、予想 0.2%)
22:30 (米) 11月 消費者物価コア指数 前年同月比 (10月 2.1%、予想 2.2%)
28:00 (米) 11月 月次財政収支 (10月 -1000億ドル、予想 -1650億ドル)

12/13(木)
16:00 (独) 11月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.1%、予想 0.1%)
16:00 (独) 11月 消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 2.3%、予想 2.3%)
17:30 (ス) スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値 (現行 -0.75%)
20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利 (現行 24.00%、予想 24.00%)
21:45 (欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利 (現行 0.00%、予想 0.00%)
22:30 (欧) ドラギECB総裁、定例記者会見
22:30 (米) 11月 輸入物価指数 前月比 (10月 0.5%、予想 -0.1%)
22:30 (米) 週間 新規失業保険申請件数 (前週 23.1万件、予想 22.7万件)

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