ドル円 依然レンジ内だが、下限割れうかがう(12/4夕)

4日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の展開で、夕方にかけては113円割れをうかがう様相を呈している。

ドル円 依然レンジ内だが、下限割れうかがう(12/4夕)

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4日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の展開で、夕方にかけては113円割れをうかがう様相を呈している。

ドル/円相場は、寄り付いた113.60-65円を日中高値にじり安推移。113円半ばと113.30円前後、2度ほど下げ止まりの様相をみせたものの、いずれも割り込むと続落、そのまま夕方にかけて日中安値である113.05円レベルまで値を下げている。前日比40円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅を拡大、結局538円の大幅安で大引けたことなどが嫌気されていたようだ。16時時点では、日中の最安値圏である113.05-10円で推移、欧米時間を迎えていた。

なお、そうしたなか仮想通貨は依然として値動き不安定。たとえば、代表格であるビットコインは昨日欧米時間に4000ドルをしっかり割り込む展開となり、東京時間も回復できず。対してビットコインキャッシュは、東京早朝に推移していた165ドルレベルから152ドル台まで一時下落、年初来安値を再び更新している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
週末に実施された米中首脳会談において「90日間の休戦」で合意したことについて、トランプ米大統領は「米中関係は貿易休戦で大きく前進」などと自画自賛。そのほか、ロイターは「米大統領、USTR代表を対中通商交渉監督として任命」、中国の証券日報は「中国、米自動車への関税引き下げの可能性を検討」−−といった報道が観測されていた。

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米中首脳会談における「一時休戦決定」は当初、ポジティブな捉え方をする向きが多かった。為替市場においてもドル買い材料として寄与していたが、その後は「90日間の休戦中に貿易協議がまとまらなければ米側は対中関税を引き上げる」という面に着目、むしろネガティブな見方をする向きが増えてきた。そのひとつには、先でも挙げた対中交渉相手の交代が挙げられており、市場筋からは「強硬派のUSTR代表が担当するからには、かなり厳しい交渉になる」−−などといった声も聞かれていた。
そんなドル/円相場は、引き続き113円台での推移。明確な方向性は依然として乏しいものの、形成しているレンジの下限割れをうかがう様相で、攻防が注視されている。しっかり割り込むようだと、112.15-60円に位置する一目均衡表の先行帯の雲がターゲットとなりそうだ。

テクニカルに見た場合、過去1週間程度形成している113円台を中心としたボックス圏、10月以降の三角保ち合いともに下限割れを視野に入れた展開となっている。大雑把に言えば113円レベル、確実さを求めれば112.80円前後を下回れば、レンジの下放れを確認されたと言えそうだ。攻防を注視したい。
なお、ドル/円はいまスグに下限を割り込めなくても、上値が切り下がってきたとの指摘も多く、移動平均の25日線が位置する113.30円台からの戻りは苦労しそうとの声が有力だ。

一方、材料的に見た場合、今週は週間を通して重要な米経済指標の発表が少なくないが、本日に限れば「空白日」。とくに目立った米経済指標の発表はないほか、米地区連銀総裁による講演なども予定されていないようだ。そうした意味では動きにくそう。
ただ、カーニー英中銀総裁による議会証言や、EU財務相理事会といった欧州の関する重要な材料が多いことから、ポンドやユーロが主導する変動には一応要注意か。また、多方面における米貿易問題が取り沙汰されるなか、ロイターは「ドイツ自動車幹部、米政府高官と4日会合へ」と報じており、動静を警戒する向きも。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-113.50円。ドル高・円安方向は、移動平均の25日線や一目均衡表の基準線など複数のテクニカルポイントが位置する113.30円前後が最初の抵抗。抜ければ昨日高値の113.85円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で割り込めなかった113円レベルの攻防にまずは注視。割り込むと一目均衡表の先行帯の雲が位置する112.15-60円が視界内に捉えられそうだ。(了)

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