ドル円112円台に下落、株安、長期金利低下で(12/5朝)

4日の海外市場でドル円は一段安。東京時間に日本株が大幅に下落した流れを受け、欧米株価が大幅安、NYダウの下落幅は一時800ドルを越えました。

ドル円112円台に下落、株安、長期金利低下で(12/5朝)

ドル円112円台に下落、株安、長期金利低下で

4日の海外市場でドル円は一段安。東京時間に日本株が下落した流れを受け、欧米株価が大幅安となりNYダウの下落幅は一時800ドルを越えました。また、米長期金利も2.88%台に低下した後、東京時間早朝も2.91%前後で推移するなど、昨晩は金融市場にリスク回避の動きが強まりました。
為替市場では危険避難的な円買いにドル円は海外序盤に113円を割り込み、未明に112.58の安値をつけた後東京時間7:00現在は112.80近辺での取引です。

G20後に株式市場を押し上げた米中貿易摩擦回避への期待が昨晩は後退、クドロー国家経済会議委員長はトランプ大統領が一昨日「合意した」とツイートした中国の米国からの輸入車への関税引き下げについて「署名や正式な手続きはまだだ」と正式な合意に達していないことを明らかにしました。また、ムニューシン財務長官が「90日間で問題のすべてを解決することは難しい」と述べたことや、トランプ大統領が自らを「関税男」と呼び再び交渉不調の場合の追加関税を匂わせたことも米中交渉の先行きに関する不安を広げ、株式市場での売り材料となりました。

昨晩の下落でドル円は21日移動平均線を久々に大きく割り込み、転換線、基準線も下抜けて、日足の一目均衡表の雲の上限でようやく反発した形ですが、中期的には三角持ち合いの中での反落と見ることもでき、引き続き方向感らしい方向感は出ていません。

株価の反発がわずか一日で終了したことの直接的な原因は米中の貿易摩擦問題への見方の短期的な変化ですが、背景に米景気の先行きに対する懐疑的な見方の広がりがあることは否定できません。
最近の米長期金利の低下、株価の変調はそれを反映したものと言えますが、このままこれが相場の基調となれば為替市場においては一段の円高リスクとなります。
再来週のFOMCでの政策金利引き上げは今のところ揺るがないものの、来年に関してはやや見通しが立たなくなりつつあり、しばらくは米経済指標の動きと金融政策の方向性により注意を払う必要がありそうです。

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