ユーロドル 米長期金利低下でじり高(12/4夕)

4日の東京市場でユーロドルはじり高推移。

ユーロドル 米長期金利低下でじり高(12/4夕)

ユーロドル 米長期金利低下でじり高

4日の東京市場でユーロドルはじり高推移。
朝方は1.1345レベルで取引されていましたが、米10年物国債利回りが昼頃に2.93%台まで低下するに従い、ユーロドルでもドル売りが強まりました。
10年物国債金利は夕刻にかけ2.95%台までやや反発していますが、ユーロドルは高止まり、夕刻に1.1398まで高値を更新してきています。

ユーログループは4日に域内各国の予算案に関する声明文を公表、その中でイタリアの予算案が理事会の勧告に対する特に重大な違反が存在することを確認したとする欧州委員会の評価を支持し、イタリアに必要な措置を講じるよう勧告するとしています。
これに対してイタリアのサルビーニ副首相は「予算の根本部分を変えるつもりはない」と述べ、コンテ首相も「財政赤字を2%未満にすることは目指していない」と発言する一方双方が合意できる解決策を探し、制裁金を回避したい考えを明らかにしています。
引き続き落ち着きどころは明らかではありませんが、双方とも対話姿勢は維持するとしており、イタリア側はGDP比2.0%の財政赤字あたりで妥協の道を探っているのではないかとも想像される報道内容からか、特段のユーロ売りとはなっていません。

ユーロドルは1.14台前半が重く21日移動平均がらみの膠着状態が続いています。
前日全面高となった各国の株価は、米中貿易交渉の先行きは引き続き不透明であるとして本日既に崩れ始めていますが、ユーロドルへの影響は限定的。本日はこの後大きな経済指標等の発表もなく、方向感は出にくい状況です。

ただ、米金利先高感後退にともなう米長期金利低下は、為替を巡る基礎的条件の変動と言え、短期的な材料の影響を取り除けばドル安方向へ影響がじわじわと出てくるはずのもの。テクニカルには1.14をまずはしっかり抜けられるかがポイントで、1.14台後半を維持できる状況になれば、9月から続いたユーロ下落トレンドも終了かという局面に入ります。

一方で下値目途となる11/28安値1.1267、年初来安値1.1216はレベルとしては現在値に近く、来週の英国のEU離脱法案の議決や、イタリアの財政問題等でユーロの売り材料が再燃すれば安値更新も十分あり得るシナリオです。

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