ドル円米中会談後も方向性乏しいレンジ継続か(12/3夕)

週明け3日の東京市場は、ドルが小安い。早朝には上値を試す展開も見られたが続かず、夕方にかけて徐々に失速している。

ドル円米中会談後も方向性乏しいレンジ継続か(12/3夕)

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週明け3日の東京市場は、ドルが小安い。早朝には上値を試す展開も見られたが続かず、夕方にかけて徐々に失速している。

前週末に実施された注目の米中首脳会談において、「90日間の追加関税猶予で合意」したことが明らかとなり、時間外取引からこれを好感した円売りが優勢だった。東京市場のドル/円は、下方向にギャップを空けた113.60円レベルで寄り付いたのち続伸。日中高値である113.80-85円を示現したものの息切れとなった。
その後は、逆にじりじりと値を崩すと113.40円台まで下落し、早朝に空けたギャップを早々埋めるなどドルは軟調に。16時時点では113.50-55円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、先で指摘した米中合意の恩恵をもっとも受けた通貨は豪ドルか。中国と貿易面での結びつきが強い豪州の通貨である豪ドルは、終日強保ち合いで推移していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
週末に実施された米中首脳会談において「90日間の追加関税猶予で合意」をするなか、日米首脳会談も開催され、「トランプ氏がF35戦闘機購入方針受け日本に謝意」を表明するのと同時に「両首脳が貿易・投資拡大で一致した」と発表されている。
なお、米中会談の前の話になるが、中国国家主席から「開放と協力を堅持し、多角的な貿易体制を守る必要がある」といった米国をけん制する発言が聞かれた反面、トランプ氏からは中国などと具体的に名指しこそなかったが、「一部の国々による為替操作は極めて強烈で、非常に悪い」とのコメントが発せられていた。

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市場の注目を集めていた週末の米中首脳会談は、「一時休戦決定」といった内容で手打ちとなり、ドル強気派にとっては一見ポジティブな内容だった。しかし、内容をよくみると、わずか「90日間の休戦」で、しかもそのあいだに貿易協議がまとまらなければ米側は対中関税を引き上げることが約束されている。必ずしも、手放しで「進展あり」などと喜べるモノではないのかもしれない。事態打開に向けた、主に中国サイドの動きについて、動静をしっかりと見極めたいところだ。

そんなドル/円相場は、先週月曜日の早朝数時間を除けば、以降本日までほとんどの時間帯が113円台での推移となっている。つまり、ここ1週間程度は1円レンジ内での揉み合い状態で、明確な方向性は乏しいと言わざるを得ない。名実ともに12月相場入りしたことで参加者も徐々に乏しくなるなか、発表される米経済指標などには注意しつつ、いましばらくのあいだレンジ取引が続く可能性がある。

テクニカルに見た場合、10月以降は三角保ち合いを形成しており、それが徐々に煮詰まりつつあるようだ。ちなみに、本日上限は114.05-10円に、下限は112.80円前後に位置している。
つまり、これからすれば、先週来推移している113円台でのレンジ相場を上下どちらに抜けていくことが出来るのかとほぼ同じ意味を持ちそう。ともかく、足もと推移しているレンジをNYクローズでしっかりとどちらの方向に抜けるのか、その方向性を注視しておきたい。

一方、材料的に見た場合、11月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表されるほか、クオールズFRB副議長による金融政策に関しての質疑応答、カプラン・ダラス連銀総裁裁による講演などが実施されている。それらはいずれも要注意。
また、欧州においては、ユーロ圏財務相会合が開催される見通しだ。参加者によるイタリア予算案をめぐる発言などによっては、ユーロが波乱の動きをたどっても不思議はないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.00-113.90円。ドル高・円安方向は、東京高値である113.80-85円が最初の抵抗。抜ければ114円台回復が見えてくることになり、先週高値の114.04円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線が位置する113.30-35円の攻防にまずは注視。割り込むと113円レベル、さらには一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する112.55円前後などが意識されそうだ。

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