<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、112円半ばを挟んでの上下動。方向性もハッキリせず、形成レンジも終日を通して30ポイントにとどかなかった。
ドル/円相場は、112円半ばで寄り付いたのち、日中安値である112.40円レベルまで軟落。前日、NYダウやナスダックが大幅安をたどったことを受けたアジアの株安懸念などが影響していたようだ。
そののち112.65-70円まで値を戻すも、ドルの上値は重く上げ渋り。結局は、112円半ばを中心とした一進一退に終始した。16時時点では、112.55円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか仮想通貨は本日も弱含み。ビットコインは東京高値の5000ドルレベルから4600ドル後半まで、一時300ドルを超える下げ幅を記録していた。
一方、材料的に注視されていたものは、前日に突如として伝えられた「ゴーン日産会長逮捕」と「米中対立の激化」について。
前者は、ゴーン氏が日産会長だけでなく、仏自動車大手ルノーの最高経営責任者を兼務しているとあって、マクロン仏大統領から「ルノーと日産の関係、見守っていく」といった発言も聞かれていた。なお、今回の事件を受け東京株式市場で日産株は大幅安となり、年初来安値を更新している。
対して後者は、これまでも貿易問題を中心に激しい鍔迫り合いが観測されているが、本日はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議をめぐり非難合戦。「中国外相がAPEC首脳宣言断念について米国を批判」した反面、ナウアート米国務省報道官からは「一部の参加国の支持を得られなかったのは残念だ」との発言が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
12日高値に114.23円のドル高値を示現後、足もとでは112.40円レベルまで一時2円近くも値を下げている。単なるドル高の調整にとどまらず、ドル安方向へ基調転換した感を否めない。ちなみに、10月安値111.38円を起点としたフィボナッチの観点では、上げ幅の61.8%押し(112.45-50円)もわずかながら下回ってきたことになり、次のターゲットは76.4%押しの112.05円レベル。そのレベルも下回ると、10月29日以来の111円台突入も否定出来ないだろう。
材料面で見た場合、貿易問題を中心とした幾つかの米国ファクターが注視されるなか、冴えない米株と米金利がドルの弱材料に。本日も、それらの動きには要注意だ。動静如何で一段のドル安が進行する可能性もある。ただ、22日に米感謝祭を迎え、いよいよクリスマス・年末モードへと突入する状況下、需給要因は逆にタイトでドルの支援要因になるといった指摘も少なくない。
テクニカルに見た場合、前日には割り込んだか微妙だった一目均衡表の先行帯の雲の上限(112.90-95円)だが、本稿執筆段階では間違いなく下回って推移している。
ちなみに、日足の一目均衡表の先行帯の雲は現在、112.15-95円といった具合で比較的薄い状態だ。そのため、早いタイミングで上限を回復する可能性がある反面、下限を割り込んでいく危険性も高い。仮に、一目の雲の下限を下回った場合には、いよいよ111円台突入がみえてくる。
一方、材料的に見た場合、10月の住宅着工件数などの米経済指標が発表されるほか、カーニー英中銀総裁による議会証言や、ウィルキンス・カナダ中銀副総裁による講演などが見込まれている。それら要因には一応要注意だ。
米経済指標の発表などを除くと、これといった材料に欠けるが、米中貿易問題を中心とした米国ファクターや、英国やイタリアのほか、ゴーン氏逮捕で俄かに関心を集めているフランス情勢などが波乱要因となるかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.00円。ドル高・円安方向は、昨日高値である112.85-90円が最初の抵抗で、その少し上には一目の雲の上限が位置している。抜けた場合には一目の転換線が位置する113.30-35円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の75日線が位置する112.25円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと、一目の先行帯の雲の下限が週を通して位置する112.15-20円、が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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