【概況】
ドル円は10月26日底からの上昇で11月12日高値114.20円まで戻したが15日の下落で113.09円まで下落、いったん小反発したものの16日夜には113円割れから一段安となり、19日の日中は112円台後半での横ばいが続いていたが、深夜からの株安を嫌気した下落で112.50円を割り込んできた。
11月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は60となり市場予想の67を下回った。これも株安要因となった。
NY連銀のウィリアムズ総裁は19日の講演で「次のFOMCでやるべきことは我々が最良のこととしてやり続けてきたこと=金利水準をノーマルな水準に戻すための緩やかな道筋である」「金利はなお非常に低い。利上げを続けてきたがなお非常に低い水準にある」と述べて12月FOMCでの利上げ及び来年の利上げ継続姿勢を示したが、市場の反応は限定的だった。
【株安再開懸念が重石】
NYダウが11月12日に602ドル安と失速、その後も14日まで3日間続落する中でドル円も株安を背景に下落してきた。先週末にかけてはダウも戻していたが、週明けは前週比395.78ドル安と大幅下落となり、一時は512ドル安まで下げた。アップル等が売られたほかAPEC共同宣言不採択等への懸念も背景となったようだ。
10月序盤の世界連鎖株安は10月3日にNYダウが史上最高値を付けた後から始まり、10月末からは暴落一服でリバウンドしたが、11月8日に戻り高値を付けてから再び失速し、すでに月末からのリバウンドの半値以上を削っている。日経平均も10月2日にバブル崩壊後の最高値を更新したが失速に入り、10月26日にはドル円とともに目先の底を付けて戻したが、11月8日にダウとともに戻り高値を付けて失速、先週後半もダウが下げ渋る中で15日、16日と下落したことがドル円の続落要因となっていた。
2月の世界連鎖株安においてもいったん大きくリバウンドを入れたが日米株ともに3月末にかけてもう一段安している。今回も同様のケースとなる可能性があり、ドル円にとっては大きな売り圧力となっていると思われる。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月7日夜安値から3日半となる13日午前安値で直近のサイクルボトムを付けたが、15日未明への下落で底割れしたために新たな弱気サイクル入りとなっている。13日午前安値を基準とすれば今回の安値形成期は16日から20日午前にかけての間と想定されるが、15日深夜安値ないしは19日の持ち合い中にボトムを付けてすでに底割れにより新たな弱気サイクルへ入っている可能性もある。このため19日夜の戻り高値112.78円を超えないうちは一段安余地ありとして20日の日中から夜、さらに21日への下落を警戒する。19日夜高値を超える場合はいったん強気サイクル入りと仮定して20日の日中から21日夜にかけての間への上昇を想定するが、戻りは短命の可能性があるのでいったん強気転換した後に底割れから弱気サイクル入りとなる可能性に注意する。
60分足の一目均衡表では15日未明への下落で遅行スパンが悪化したが、先行スパンからの転落も続いている。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、遅行スパン好転からはいったん強気サイクル入りの可能性を優先して先行スパン下限試しを想定する。また先行スパンへもぐりこむ場合はその上限への上昇とその後の反落注意とする。
60分足の相対力指数は週末夜安値時と週明けの一段安の間では指数のボトムが切り上がっているので強気逆行気配だが、逆行完成には50ポイントを超える必要がある。50ポイント超えへ進めないうちは連続的な逆行継続となる可能性ありとして一段安警戒とする。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112円を支持線、19日夜高値112.78円を抵抗線とみておく。
(2)19日夜高値を超えないうちは一段安警戒としてまず112円試しとみる。112円到達ではいったん買われやすいとみるが、112円到達後に112.50円を超えてこないうちは下げ再開注意とする。
(3)112.78円超えからはいったん強気サイクル入りとして113.00円から113.20円にかけてのゾーンを試すとみるが、113円到達では戻り売りにつかまりやすいとみる。
【当面の主な予定】
11/20(火)
09:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
16:00 (独) 10月 生産者物価指数 前月比 (9月 0.5%、予想 0.3%)
17:20 (豪) ロウ豪中銀総裁、講演
19:30 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁 財務委員会で議会証言
22:30 (米) 10月 住宅着工件数・年率換算件数 (9月 120.1万件、予想 123.0万件)
22:30 (米) 10月 住宅着工許可件数・年率換算件数 (9月 124.1万件、予想 126.0万件)
11/21(水)
ECB理事会 金融政策発表無し
OECD(経済協力開発機構)経済見通し発表
13:30 (日) 9月 全産業活動指数 前月比 (8月 0.5%、予想 -0.9%)
22:30 (米) 10月 耐久財受注 前月比 (9月 0.8%、予想 -2.5%)
22:30 (米) 10月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (9月 0.1%、予想 0.4%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.6万件、予想 21.5万件)
24:00 (米) 10月 景気先行指数 前月比 (9月 0.5%、予想 0.1%)
24:00 (米) 11月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値 (速報 98.3、予想 98.3)
24:00 (米) 10月 中古住宅販売件数・年率換算件数 (9月 515万件、予想 520万件)
オーダー/ポジション状況
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