<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場は、ドル高・円安。終盤にかけて再び113円台を回復する局面も観測されるなど、ドルそのものも強かったが、全般的な流れとしてはクロスを含め「円全面安」の様相だった。
ドル/円相場は、112.65円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。112.55-85円といったレンジ内での一進一退をたどっていたが、夕方にかけて上抜けすると113円台まで一気に値を上げている。背景となっていたのは日経平均の大幅高。ザラ場ベースで600円超、クローズベースでも556円高となったことが好感された。
日中高値である113.10円レベルを示現後はさすがに上げ渋るも底堅く、16時時点でドル/円相場は113円台の高値圏を堅持し、欧米時間を迎えた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」について。
前日に、「米中首脳が電話会談、貿易摩擦などを協議」したことが明らかになったのち、中国国営メディアは「国家主席、米国と安定的で健全な関係促進を望むと発言」と報道。またトランプ米大統領からは「中国と正しい取引を行うだろう」との発言、ブルームバーグが「トランプ氏が中国との想定される貿易合意の草案作成を指示」と報じるなど、問題解決に向けた軟着陸への期待感が高まった。
<< 欧米市場の見通し >>
毎日のように短期の基調が変わる猫の目相場で、動静は非常に読みにくい。昨日は、「レンジをいったん抜けても、結局元のレンジに回帰する」−−というダマシの可能性を否定出来ないとレポート、目先はレンジ相場継続を予想したが、本日の東京時間に113円台を回復するなど、再びドル高方向のリスクが高まりつつある。ドルの強気派としては、まず113円台への定着そして直近高値113.38円の攻防を注視したいところだ。
材料面では、米中間選挙まで残り1週間を切るなか、貿易問題を中心とした様々な米国ファクターが注視されている。ただ、目先的には米ファンダメンタルズに対する関心も高く、本日でいえば発表される10月の米雇用統計にとくに要注意。米指標好数字、そして米株高継続となればドルはレンジを再ブレークし、114円トライに向けた動きを加速させる可能性もある。
テクニカルに見た場合、何とも難しい相場で、「レンジブレークと見せかけたダマシ」が逆にダマシだったのかもしれない。
ともかく、再びドル高方向へのリスクが高まってきた感があり、先日記録した高値113.38の攻防に注意を払いたい。ちなみに、何度か報じているように、直近高値はフィボナッチの観点で見た場合、10月高値114.55円を起点とした下げ幅に対する61.8%戻しにほぼ合致するテクニカルポイント。したがって、上抜ければ76.4%戻しの113.80円レベルがターゲットとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、9月の貿易収支や10月の雇用統計といった米経済指標の発表が予定されている。なお、注目の米雇用統計のうちもっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス20万人で、前月(プラス13.4万人)よりも大幅な良い数字が見込まれているようだ。ここ最近発表される米経済指標は好悪混在だが、一定の相関性が指摘されるADP雇用統計は好数字で、本日の指標に関しても期待感を抱く声がやや優勢となっている。
そのほか、報道が二転三転し様相が混沌としつつある英国情勢や、ドイツやイタリアなどをはじめ依然不安要素の多い欧州情勢も波乱要因として注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.40-113.60円。ドル高・円安方向は、東京時間高値の113.10円レベルが最初の抵抗。上抜ければ、前回高値の113.38円や113.80円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線が位置する112.80-85円が最初のサポートで、割り込むようだと、本日112.35円レベルまで水準を切り上げてきた一目均衡表の先行帯の雲の上限が視界内に捉えられそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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