ドルの上値トライ、やっぱり「ダマシ」か!?(11/1夕)

1日の東京市場は、112円台後半での一進一退。値幅はわずか25ポイントほどで、方向性はうかがえなかった。

ドルの上値トライ、やっぱり「ダマシ」か!?(11/1夕)

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1日の東京市場は、112円台後半での一進一退。値幅はわずか25ポイントほどで、方向性はうかがえなかった。

ドル/円相場は、112.90円レベルで寄り付いたものの、動意は乏しい。ここ数日は日経平均株価の動きに左右される展開をたどっており、その日経平均が前日比14円安で寄り付いたのち下げ幅を拡大、終値ベースでは232円安となったものの、リスク回避の動きなどは限定的なものにとどまっている。終日を通して112.70-95円といった狭いレンジ取引だった。16時時点、ドル/円相場は112.80円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかポンドは堅調裡。英紙タイムズが報じた「メイ首相とEU、離脱交渉の金融サービス分野で合意」とのニュースを好感し、対円では144円前後から145円台まで、1円以上も一気に値を上げる局面が観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
CNBCが「米NEC委員長、中国への追加関税措置は何も確定せず」、米紙WSJからは「米鉄鋼関税の適用除外、日中企業に集中、有力議員が問題視」との報道が観測され、一部で話題となっていたようだ。
そのほか、単発として韓国情報機関による「北朝鮮、閉鎖の核実験場の公開準備か」との分析、共同通信「関係冷却化、韓国大統領の年内来日困難に」−−といったアジア情勢にかかわるニュース、先で取り上げた英国にかかわる幾つかの報道なども思惑を呼んでいたもよう。

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昨日、11日以降、3週間近く続けてきたレンジをようやく上抜け、113円台に定着した感があったことから、「今回はレンジを『しっかり』上放れたと言って良いようだ」と指摘した。しかし、その後の欧米時間に再び112円台へと出戻り、本日の東京時間は終日を通して一度も113円台に乗せることができていない。やはり、再三再四指摘してきた今年の相場の特徴である「レンジをいったん抜けても、結局元のレンジに回帰する」−−というダマシの可能性を否定出来ない気がしている。ドルの強気派からは、早い段階での113円台に回復、さらには昨日の高値更新を望む声が少なくない。

材料面では、米中間選挙まで残り1週間を切るなか、様々な米国ファクターが注視されている。ただ、もっとも注視されているのは、やはり米貿易問題で、なかでも米中そして日米の動向が警戒されている感を否めないだろう。ただ、名実ともに11月入りしたことで明日発表の米雇用統計を中心に、本日も発表される米経済指標は少なくない。米ファンダメンタルズ要因にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、まだ断定はできないが、一抹懸念していた「レンジブレークと見せかけたダマシ」が現実のものとなったのかもしれない。
昨日NYで一時113.40円近くまで上昇したものの、同レベルはフィボナッチの観点で見た場合、10月高値114.55円を起点とした下げ幅に対する61.8%戻しにほぼ合致するテクニカルポイントだった。そんなレベルで上げ止まると、そののち112円台まで押し戻されている。ダマシ観測を払拭するためにも、早いタイミングで113円台回復を望みたい。さらにいえば、テクニカルポイントでもある昨日高値の攻防にも要注意だ。

一方、材料的に見た場合、10月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標の発表が予定されている。ちなみに、昨日発表されたADP雇用統計が好数字だった反面、シカゴ購買部協会景気指数は予想よりも悪いなど結果はマチマチだった。好悪が混在し動静は読みにくいが、ともかく実際の指標内容には引き続き注意を払いたい。
そのほか、先で指摘したように、東京時間に若干の進展があった英国をはじめ、ドイツやイタリアなどをはじめ依然不安要素の多い欧州情勢も波乱要因となりかねない気がしている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.40-113.40円。ドル高・円安方向は、本稿執筆時に下回っている移動平均の25日線(112.80-85円)や一目均衡表の基準線(112.95円レベル)などの攻防にまずは注視。抜ければ、昨日高値113.40円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の112.70-75円が最初のサポート。割り込むようだと、本日112.25円レベルまで水準を切り上げてきた一目均衡表の先行帯の雲の上限が視界内に捉えられそうだ。

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