ドル円一転しレンジ下限に接近、攻防を注視(10/25夕)

小幅にドル安・円高。111.95円レベル、ここ最近のレンジ下限を割り込む局面もあったが、そののち112円台を回復するなど、ドルは逆に底堅い雰囲気も。

ドル円一転しレンジ下限に接近、攻防を注視(10/25夕)

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25日の東京市場は、小幅にドル安・円高。111.95円レベル、ここ最近のレンジ下限を割り込む局面もあったが、そののち112円台を回復するなど、ドルは逆に底堅い雰囲気も。

ドル/円相場は、112.20円前後で寄り付いたのち、日中安値である111.80-85円まで軟落。ここ最近のレンジ下限を一気に割り込んだ。日経平均株価が前日比414円の大幅安で寄り付いただけでなく、さらに下値を拡大させたことが材料視されていた。
しかし、株価が一時小幅な反発へと転じたうえ、ゴトー日で仲値不足観測といった需給要因も取り沙汰されると、ドルも反転し112円台を回復。その後は112円を挟んだ111.90-112.15円といったレンジ取引となり、16時時点では112.05-10円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、相次いだ米要人などに対する「不審物送付騒動」について。
第一報として「オバマ、クリントン両氏に爆発物が届いた」と伝えられるなか、続けて「CNN支局にも不審物」「バイデン前米副大統領宛てにも不審小包届く」−−といった別の報道も観測されている。また、不審物送付先の多くがトランプ米大統領と対峙する先であったことから、大統領についての批判も聞かれ、それに対してトランプ氏から「絶え間ない敵意や誤った攻撃をやめよ」などといった発言がなされていた。
そのほか、NYタイムズか報じた「中国がトランプ大統領の携帯電話盗聴」、英紙テレグラフによる「グーグルなど米3社の幹部、EU離脱めぐり英閣僚らと会合」といった報道が思惑を呼んでいたようだ。

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今週初め22日には112.90円近くまで値を上げるなど、レンジの上限抜けをうかがう様相だったが、それから数日、今度はレンジの下限(111.63円)割れを視野に入れた展開となっている。いずれにしても、過去2週間程度は111.60-112.90円、1.3円ほどのレンジを形成しており、そのなかでの変動だ。依然として、短期的には方向性を喪失している感を否めず、このあとも居心地の良さそうな足もと112円台を上下どちらに放れるのか、その方向性に注意を払いたい。
材料面では、米国ファクターとして、中間選挙を控え貿易問題についての懸念が依然としてくすぶるなか、米多国籍企業の決算発表に引き続き注目だ。ただ、本日はトルコ中銀による政策金利発表ならびに、ECBの金融政策発表とドラギ総裁による記者会見が実施される予定となっている。米国よりも欧州情勢が要注意で、ユーロを中心とした相場変動を警戒する声も少なくない。

テクニカルに見た場合、過去1週間程度推移していた111.90-112.90円のレンジの下限を一時下抜けたものの、11日以降形成している111.60-112.90円というレンジは割り込めず。
しかし、NY市場にかけても株安が続く見込みであることなどを勘案すると、為替市場のリスクは円高方向か。このあとの欧米タイム、再びドル安・円高が進展する可能性も否定出来ないだろう。直近安値である111.63円をめぐる攻防にまずは要注意。
割り込むようだと、一目均衡表の先行帯の雲が位置する111円半ばレベルがターゲットに。

一方、材料的に見た場合、9月の耐久財受注速報といった米経済指標や、米財務省による7年債入札などのほか、クラリダFRB副議長の講演、米企業の決算発表も少なくない。それらは当然要注意。
ただ、前述したように、本日はトルコ中銀による政策金利発表ならびに、ECBの金融政策発表とドラギ総裁による記者会見が実施される予定となっている。米国よりも欧州情勢、欧州通貨の動きに、より注意を払いたいところだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.70-112.70円。ドル高・円安方向は、東京高値の少し上、一目均衡表の転換線が位置する112.25円レベルが最初の抵抗で、抜ければ昨日高値112.74円やレンジ上限である112.90円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値の111.80-85円の攻防にまず注視。下回ると直近安値111.63円が視界内に捉えられそうだ。

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