ドル円 世界連鎖株安再開戻り三尊から崩れる(10/25)

10月24日のNYダウが大幅続落し、世界連鎖株安懸念からドル円は下落、25日9時過ぎには112円及び23日深夜安値111.95円を割り込み、10月15日安値111.62円に迫っている。

ドル円 世界連鎖株安再開戻り三尊から崩れる(10/25)

【概況】

10月24日のNYダウが608.01ドル安と大幅続落し、世界連鎖株安懸念からドル円は下落、25日9時過ぎには112円及び23日深夜安値111.95円を割り込み、10月15日安値111.62円に迫っている。前場の日経平均も700円を超える下落となっている。
10月2日に日経平均が1月天井を超えてバブル崩壊後の最高値を更新、NYダウが10月3日に1月天井を超えて史上最高値を更新、その後は揃って下落し、10月8日の上海株安と10日から11日の世界連鎖株安へ進んだ。ドル円は株安を見ながら10月4日高値114.54円から下落に転じて15日には111.62円まで下げた。株安一服感でその後は二段戻しに入って22日夜には112.88円をつけたがそれまでの下げ幅に対する半値戻し(113.08円)には届かずに23日の株安で111.95円まで下げた。24日のアジア市場で株安が落ち着いたために112.74円まで戻したがNYダウ急落により失速した。

【世界連鎖株安継続不安】

10月3日に1月天井を超えて史上最高値を更新したが、そこから失速が始まり、10月10日に831.83ドル安となって世界連鎖株安の端緒となり、11日も545.91ドル安と大幅続落した。その後は一旦戻しに入っていたが、18日に327.23ドル安と下げ、今週は22日に126.93ドル安、23日に125.98ドル安と続落、24日は3日続落での大幅下落となった。この間の下げ幅は2418.62ドル安で1月26日から2月9日へ3256ドル安した時と比較すればまだ小さいが、下落角度は2月暴落並であり、さらに10月11日安値を割り込んでの二段下げに入っていることが2月暴落時のスケールを上回る可能性を警戒させている。
NYダウはまだ2月暴落並の範囲にあるが、ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は24日までの下げで1034.3ポイント安となり1月26日から2月9日へ急落した時の875.1ポイント安を超えるスケールとなっている。トランプ大統領が米連銀の利上げのせいだと非難を繰り返しているのも2月暴落時と比較して状況がさらに悪いであろうことを自覚しているからかもしれない。

1月から2月への暴落レベルなら米国株の長期的な上昇基調はまだ継続してゆく可能性も考えられるが、ナスダックの崩れ方を見るとそれでは済まない可能性も出てきている。同じことは日経平均にも当てはまり、現状はまだ1月から2月への暴落並、ないしは3月26日への下落期並だが、それを超える下落スケールへ発展する懸念も高まりつつあると思う。

米連銀の利上げサイクルが進む中で投資マネーの逆流が始まり、米中貿易戦争を中心とした保護主義による先行き不透明感が強まる中でも一極集中的に米国株は勝ち組として買われてきた。しかしバブル的な上昇のなかで自重に耐えられなくなり始め、米長期債利回りが急騰すると楽観的な買い気が一挙に冷やされた。米中貿易戦争問題にサウジ問題も加わったために金融市場全般の疑心暗鬼が拡大して世界連鎖株安症状が発生したという事だろう。

【60分足三尊天井】

10月22日高値112.88円を中心に18日高値112.72円と24日夜高値112.74円がほぼ同水準で両肩となって三尊天井型を形成した。ネックラインとなる19日未明安値111.96円と23日深夜安値111.95円も同水準だったが、25日朝の下落でこれらを割り込んだために三尊天井が完成した。
三尊の場合は頭の高値からネックラインまでの二倍値が当初の下値目処となるが今回は23日夜への下げ幅の二倍値でE=111.02円が当面の目安と考えられる。また15日安値から22日高値への戻り幅の倍返しならV=110.36円、10月4日高値から15日への下げ幅並の二段下げとすればN=109.96円等の下値計算値もあるが、10月15日安値を割り込む場合はまず111円、さらに110円前後を目指すという現実味も出てくるのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは10月23日深夜安値で19日未明安値をわずかに割り込んだがその後に112.50円手前まで戻したため24日朝時点では23日深夜安値でボトムをつけた可能性があるとし、112.70円を超え、その後も112.50円以上を維持して推移する場合は23日深夜安値からの強気サイクル入りとして25日から29日にかけての間への上昇を想定するとしたが、22日高値を超えない程度から反落して23日深夜安値を割り込む場合は60分足レベルの三尊天井形成となって弱気転換する可能性があるとした。結果は三尊天井型形成により23日深夜安値を割り込んでいるため、底割れによる新たな弱気サイクル入りとして26日夜から30日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では25日朝への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したため、遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、強気転換は両スパン揃って好転するところからとする。

 以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、10月15日安値111.62円を支持線、112.30円台までを抵抗線とみておく。
(2)112.40円超えへ進めないうちは一段安警戒とし、10月15日安値割れからは111円台前半への下落を想定する。111.50円以下ではいったん買い戻しも入りやすいとみるが、112円以下での推移中は26日にかけてもさらに一段安へ進みやすいとみる。
(3)112.40円超えを強気転換注意、112.50円以上を回復してくる場合は上昇再開の可能性を優先して24日夜高112.74円試しを想定する。24日夜高値超えからは新たな強気サイクル入りとして113円台序盤を目指す上昇期入りと考えるが、24日夜高値を上抜けない場合は戻り高値切り下がりによりその後の下落で22日以降の安値更新へ進むとみる。

【当面の主な予定】

10/25(木)
15:00 (独) 11月 GFK消費者信頼感指数 (10月 10.6、予想 10.5)
17:00 (独) 10月 IFO景況指数 (9月 103.7、予想 103.1)
20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利 (現行 24.00%、予想 24.00%)
20:45 (欧) 欧州中銀(ECB)政策金利 (現行 0.00%、予想 0.00%)
21:30 (欧) ドラギECB総裁、定例記者会見
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.0万件、予想 21.3万件)
21:30 (米) 9月 耐久財受注 前月比 (8月 4.5%、予想 -1.5%)
21:30 (米) 9月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (8月 0.1%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 住宅販売保留指数 前月比 (8月 -1.8%、予想 -0.1%)
25:15 (米) クラリダFRB副議長、講演

10/26(金)
08:30 (日) 10月 東京都区部消費者物価コア指数 前年同月比 (9月 1.0%、予想 1.0%)
10:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
21:30 (米) 7-9月期GDP前期比年率 速報 (前期 4.2%、予想
23:00 (米) 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数 確報値 (速報 99.0、予想 99.0)

10/28(日)
欧州各国が冬時間入り(英との時差9時間、仏独伊とは8時間に拡大)


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